桜丘高等学校では生徒の希望進路を実現させるために、学習意欲を着実に育てる教育システムと学習環境を整えています。進学指導部長の樋山陽亮先生に、教育システムと学習環境の特色、そして新型コロナウイルス対策で休校を余儀なくされた期間の対応について聞きました。
桜丘高等学校では生徒の希望進路を実現させるために、学習意欲を着実に育てる教育システムと学習環境を整えています。進学指導部長の樋山陽亮先生に、教育システムと学習環境の特色、そして新型コロナウイルス対策で休校を余儀なくされた期間の対応について聞きました。
樋山先生3年間の学習の土台となるのが『Self Study Notes』(セルフスタディノート)です。まず生徒はノートに1週間の学習計画を立て、1週間後に計画が実行できているかどうかを振り返り、学習計画を見直していきます。このように『P(Plan:計画)』『D(Do:実行)』『C(Check:検証)』『A(Action:改善)』のサイクルを繰り返すことで、自学自習の習慣が身についていきます。
樋山先生学習計画を立てる上で重要なのが、自分の弱点を把握することです。そのために、本校では定期的に模試を行っています。例えば高1の初期に行う1泊2日の『進学合宿』では、マークシート方式による中学の振り返りテストを実施し、一人ひとりの苦手分野や課題を明確にしています。また、このノートは担任も定期的にチェックしていて、必要に応じてアドバイスなどを書き込んでいます。
樋山先生担任は「これまできちんと計画を立てていた生徒が、急にノートを提出しなくなった」「書き方が変わった」などの異変に気づくと、個人面談の機会を設けたり、声かけを行ったりします。さらに定期的に行う面談の中でも、学習面だけではなく生徒の心の動きも含めたケアをしています。
樋山先生まず自習室ですが、朝7時半から20時まで使用できる私語厳禁の学習スペースです。一方で、友人と一緒に学習できる『教え合い学習室』も本校ならではの学びの場となります。誰かに教えることで学習の定着率が高くなるうえに、仲間とともに主体的に学ぶことで新しい発見もあり、学習意欲の向上にもつながります。
また、自習室に隣接する『URC(University Resource Center)』(進路指導室)には卒業生のチューターが常駐していて、受験勉強のサポートをしてくれたり、教員とは違った視点で学習や進路の相談に乗ってくれたりします。
樋山先生安心して受験勉強に取り組めるように、オンライン上でチューター制度を継続しました。チューターの大学生と希望する生徒たちがZoom(ウェブ会議のアプリケーション)に接続し、いつでもチューターに質問ができる状態で、各自で学習に取り組みました。一人ではなく仲間やチューターの存在を感じられることで、学習意欲が高まったようです。
『校内合同大学相談会』もZoomを利用して開催しました。『校内合同大学相談会』は有名国立大学・私立大学が、本校の生徒を対象に行う説明会です。例年、各大学がブースに分かれ、生徒は希望する大学のブースに足を運んで説明会に参加するという形を取っていたのですが、今年は各大学にオンラインの会議室を設けてもらい、生徒は希望する大学の会議室に接続するという形で行いました。「オンラインであれば参加できる」という大学もあり、30ほどの大学が参加してくれました。
放課後に希望者を対象に実施している『志望理由書・面接対策講座』もリモートで実施しました。生徒はオンラインで講座を受講して志望理由書を書き、それを郵送し添削を受けるといった形です。
樋山先生本校では生徒が1人1台のタブレット端末を持ち、授業や学習に活用しています。また、オンライン英会話も導入しています。ICT環境が整っているので、休校になった場合でも学習を続けることが可能です。
ボランティア活動や部活動など、本校の学校生活にはオンラインでは実現できない重要な学びもありますが、万が一の場合でも本校ならではの学びを継続していくために、最大限の努力をしていきます。
卒業生チューターが常駐する『URC(University Resource Center)』(進路指導室)。
平日15時20分から20時まで、土曜日は13時20分〜20時までTUTORが常駐して生徒の進学相談や学習に関する質問にも対応。
調べ学習や教え合い学習に利用されるラーニングセンター『SLC(Sakuragaoka Learning Center)』。
パソコン、プロジェクター、ホワイトボードも備えており、「問題解決型」学習方法に対応したグループ・ディスカッションも可能。
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