仏教主義に基づく人間教育に軸を置きながら、次代を見据えた実践的な教育と戦略で、着実に合格実績を積み重ねている駒込高等学校。同校の飛躍は顕著で、2020年春は、国公立大学24名(2014年春は6名)、早慶上理ICU56名(同18名)、GMARCH148名(同57名)と、いずれも2014年実績からほぼ3倍増。加えて理系5大(芝浦工大・東京都市大・東京電機大・東邦大・東京農大)は4倍近い111名(同35名)と右肩上がりになっています(※グラフ参照)。
同校は2017年より『理系先進コース』を開設(今春1期生が卒業)していますが、実績との関係性は「とても大きい」と角田淳教頭先生は話します。
「理系先進コースを希望する生徒は数学や理科が好きな、良い意味でマニアックな生徒が多いですね。そのような生徒たちが集まることで仲間意識が高まるのと同時に、高2で学ぶような内容を高1の段階から取り入れることで、このコースで学ぶ自負と、プライドを持って3年間を過ごしたことが良い結果に結びついていると思います」
同コースの目標は、将来、単なる科学者や技術者としてではなく、平和な未来づくりに貢献できる人材を育てることです。その目標に向けて実践しているのが、答えが1つではない問題に向き合って『問題を解決する力』と『探究力』を身につけるための教育です。そしてその軸となるのが、各メディアなどでも取り上げられている『STEM教育』です。
STEM教育とは、「Science(科学)」「Technology(技術)」「Engineering(工学)」「Mathematics(数学)」を統合した世界水準の教育のこと。その実践の一つとして埼玉大学STEM教育センターとの共同授業を実施し、オリジナルキットとソフトを使ったプログラミングで、身近な問題を実践的に解決していく取り組みを行っています。
『STEM CAMP』では、東日本大震災の被災地である宮城県南三陸町を訪れ、現地の方々のお話を聞き、そこからSTEM的な視点で地元の子どもたちと一緒に簡単なレスキューロボット作りに取り組んだ(高1)ほか、海外では深圳(香港)でワークショップに参加し、最新の技術を視察する企業訪問なども行いました(高2)。さらには『ロボカップジュニア』などの外部コンテストへも積極的に参加し、日本初の『ドローンサッカーオープントーナメント』では優勝・準優勝を達成するなど、新コースらしい積極的な学びと活動、そして新コースらしからぬ実績と効果を上げています。