栄北高等学校の空手道部は、関東大会、全国大会の常連校です。個人・団体・組手・形のいずれにおいても好成績を残しています。指導にあたる顧問の小林徹先生は松濤館流の出身で全日本空手道連盟では五段。日本大学在学中の団体戦で全国制覇を成し遂げています。日々鍛錬する部員たちの活動を紹介します。
栄北高等学校の空手道部は、関東大会、全国大会の常連校です。個人・団体・組手・形のいずれにおいても好成績を残しています。指導にあたる顧問の小林徹先生は松濤館流の出身で全日本空手道連盟では五段。日本大学在学中の団体戦で全国制覇を成し遂げています。日々鍛錬する部員たちの活動を紹介します。
空手は全身運動、精神鍛錬、あいさつ・礼儀を身につけられる格闘技。
瞬時な足の戻しとしなやかでスピードのある蹴り
相手の出方を待たずとにかく前へ出て仕掛ける。
組手のルールは1対1で技を出し合い、時間内にポイントを多くとったほうが勝ち。
ブレない体の筋力トレーニングなど、腰の回転力を高めるための柔軟性も必要。
跳躍が入るアクロバティックな形も。
僕が空手を始めたのは4歳の時です。聞くところによると、その頃の僕は泣き虫だったらしく、強い人間に成長させようと父が道場に入門させたそうです。もちろん僕はそのことを覚えていません。でも、その翌年には自分から積極的に通うようになったことは覚えています。5歳になって市民大会で入賞できるようになり、賞状をもらえることがうれしかったからです。空手をやることで心身ともに強くなれる。幼いながらもそう思いました。
中学校には空手部がなかったので、道場に通っていました。なので高校では部活動に空手部がある栄北を選びました。学校の中で仲間と競い合い、己の技を磨きつつ、一緒に強くなる。そして全国大会で優勝する。それを目標にがんばれることがとても幸せです。
僕のもう一つの目標は大学に進学することです。将来やりたいことがいろいろあって、まだ学部・学科を絞り切れずにいますが、やりたいこことが決まったときに困らないよう、一つひとつの授業に集中し、授業内で覚えることは覚えてしまおうと心掛けています。また、どんなに疲れて帰宅しても勉強する時間は設けています。
今年プロ野球・読売ジャイアンツを引退した阿部慎之助選手が言っていました。「つらいときは笑っとけ」と。僕も目の前の壁を一つひとつ乗り越えて強い人間になりたいと思います。
小学生の時、道場の先輩に強くてかっこいい女子選手がいたんです。憧れて、あんなふうになりたいと思いました。今は、女子柔道やレスリングのように、女子も強くてかっこいいのが当たり前の時代になっていますよね。私もその一人になりたいと思いながら空手を続けています。
来年(2020)年の東京オリンピックの競技種目に空手が決まったときは、本当にうれしかったですね。組手に採用された「ノンコンタクト」の空手は、栄北の部活動で私たちがやっている空手です。ポイントにつながる技やスピード、そしてかけ引きなど、フルコンタクトよりノンコンタクトのほうが面白いと私は思います。この空手を世界中の人に知ってほしいと心から願っています。
部内では女子部の主将として、みんなから頼られる存在になりたいですね。空手は心も身体も鍛えられますが、その分、精神的にも体力的にもつらいです。そんなときは自分から率先して声を出してみんなを励まし、みんなからも励ましてもらいます。そうすると負けそうになる自分に勝てるんです。
みんなから頼られる存在になって、母のような看護師になるのが将来の目標です。なので勉強も怠らず、医療看護系の道に進みたいと思っています。
部員には『二兎を追え(文武両道)』と話しています。「空手だけしかやっていませんでした」では、社会に出てから通用しません。高校時代は勉強も部活動もどちらもがんばって、将来の土台づくりをする時期です。今このときに二兎を追って自分自身を成長させるのが本校空手道部の目標です。
人生の土台づくりという意味では、空手ほど素晴らしいスポーツはありません。第一に『心技体』を鍛えて人間的に成長することができます。そして伝統武道を通してあいさつや礼儀、美しい所作を身につけることもできます。
試合ではとにかく勝つこと。勝つことにこだわれと部員には声をかけています。勝てばますます空手を好きになれるし、勝った自信が自分自身を大きくするからです。やればできるという自信は勉強にも良い影響を与えます。全国大会やインターハイなど、常に上のステージをめざすのはそのためです。
中学生の皆さんが空手を強くなりたいと思うなら、私たちが全面的にバックアップします。競技であるからには一流をめざしましょう。空手は個人競技ですが、栄北の空手道部はみんなでワンチームです。部員みんなで日本一をつかみましょう。
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