19の運動部と16の文化部が活動する武蔵越生高等学校。9月に行われた「けやき祭」(文化祭)ではキャンパスの各所で、それぞれのクラブ活動が趣向を凝らした演技、演奏、展示、販売などを行っていました。3年生は引退となる文化祭。今回は吹奏楽部と家庭科部の3年生に話を聞きました。
19の運動部と16の文化部が活動する武蔵越生高等学校。9月に行われた「けやき祭」(文化祭)ではキャンパスの各所で、それぞれのクラブ活動が趣向を凝らした演技、演奏、展示、販売などを行っていました。3年生は引退となる文化祭。今回は吹奏楽部と家庭科部の3年生に話を聞きました。
ディズニー映画で聞き覚えのある「アンダー・ザ・シー」に合わせて楽器がうねるウエーブは圧巻。
笑顔をたやさず、部員たち自身が楽しんでいます。
表現力豊かに歌も披露。
演奏スタイルとらわれず、軽快なリズムに乗って盛り上がります。
歌って踊って寸劇も披露する吹奏楽部。体育館を存分に使ったパフォーマンスです。
東京ディズニーリゾートに11年連続して出場し、楽しいパフォーマンスを行う吹奏楽部。「けやき祭」では体育館の舞台をフルに使って来場者の感動を巻き起こしていました。
吹奏楽コンクールでは、Aの部(35人以下の部)に3年連続5回出場し、銀賞を受賞。Bの部(55人以下の部)では、東日本大会に7回出場(うち金賞6回受賞)、西関東大会には12回出場(うち、金賞10回受賞)と、実力のあるチームです。入学式や卒業式はもちろん、野球部の応援や春の定期演奏会は生徒たちが楽しみにするイベント。また、特別支援学校や中学・小学校での演奏など、演奏の舞台は多岐にわたります。
私は中学から吹奏楽部で打楽器の演奏を経験してきたので、高校吹奏楽部でも打楽器を担当しています。打楽器はティンパニ、ドラム。鍵盤、コンガ、シンバルなどいろいろな種類があり、リズム感が必要とされる楽器です。
楽器ごとにパートリーダーがいて、部長である私はそのグループをまとめる役目なのですが、各パート、個人それぞれに個性や思いがあるので、まとめるのはとても大変な役割でした。それでも各パートリーダーが周りを見渡し、気配りできる人たちなので、とても助けられてきました。文化祭を終えた今、来場者の熱を感じた演奏ができたと感じています。毎回、たくさんのパワーをいただきました。
振り返るとあっという間の3年間でした。オープンキャンパスのとき、私たちのパフォーマンスを見て涙を流して感動してくださった方がいて、「音楽をやっていて良かった!」と思いました。
引退を前に後輩に伝えたいことは、どんなときでも音楽を楽しんでほしいということ。壁にぶつかったときは、どんなことでも周りに相談して乗り越えてほしいです。でも音楽が好きなら、どんなことも乗り越えることができるはず。自分の道を突き進んでほしいと思います。
将来は保育士をめざしています。子どもたちと接するとき、音楽は欠かせないものなので、吹奏楽部で培った経験を活かしてがんばりたいと思います。
吹奏楽部がディズニーリゾートでパフォーマンスをするようになったのは、当時の部員の一人にディズニーランドの大ファンがいて、ダメでもともとと思って応募したところ採用されたのがきっかけです。それまでは演奏しながらの動きは少なかったのですが、ディズニーリゾートの方に「もっと何かを表現することを考えたほうがいい」とアドバイスをいただいて、今のように振り付けをするようになりました。
振り付けをするようになって変わったのは、観客にアピールできることは音楽だけではないということ。部員たちは何を伝えたいか、どのように表現したいかを考えるようになりました。もちろん音楽の部活動であることに変わりはないので、基本的な音楽の表現力を身につけた上での振り付けであり、歌であり、踊りです。
吹奏楽部は高校から楽器に触れる初心者もたくさんいます。なかでも多いのは、中学まで経験したのとは違う楽器に挑戦する部員です。先輩たちが指導するので、初めての楽器でも大丈夫です。
吹奏楽部は入学式から卒業式まで、さまざまな行事で演奏します。一つの行事を完成させるためには選曲や振り付けを考え、衣装や小道具を用意するなど、たくさんの準備が必要です。そのときどきに部員たちはぶつかり合うこともあるけれど、そのたびに「お客さまを楽しませるためにはどうしたらいいだろう?」というところに立ち返って考えます。そのような経験を重ね、卒業するときには一人ひとりがたくましく成長しています。
「けやき祭」で販売した梅ジュース。爽やかで元気の出る味わいです。
家庭科部は梅ジュース販売と裁縫作品の展示、ストールの販売を行いました。
白梅で染色したストールは淡いピンク色。やさしい肌触りです。
服飾の分野では、浴衣とワンピースを制作しました。
豊かな家庭生活を着実に創造できるよう、衣食住に必要なスキルを身につけることを目標とする家庭科部。週2回、被服と調理の実習を中心に活動しています。
昨年から目標に地域貢献が加わり、近隣の農家とコラボレーションし、地域の宿泊施設である「ゆうパークおごせ」のレストランで部員たちが考えたレシピを提供することもあります。「けやき祭」では近隣の「山口農園」からいただいた梅を使ったジュースや、梅の枝で染色したストールを販売しました。
6月は山口農園で開催された「うめ収穫感謝祭」に参加してストールを販売したところ、多くの方が購入してくれました。家庭科部の活動は、地域のケーブルテレビなどでも紹介されています。
家庭科部の活動は普段の家庭科の授業ではできない浴衣やワンピースの制作、地域との交流があります。今年の「けやき祭」では、浴衣のファッションショーを行うことができました。
地域貢献の一環として、「ゆうパークおごせ」でレストランのメニューを考えたこともあります。越生には高齢者の方が多いので、食べやすい豆腐ハンバーグを考案しました。お年寄りに喜んで食べていただけて、とてもうれしかったです。
将来は大学の服飾科に進学し、ブライダルの世界で働きたいと思います。被服科では授業でワンピースやタイトスカートを制作するそうなので、家庭科部で洋服を作った経験が活かせると思うと今から楽しみです。
「けやき祭」を終えてしみじみ思うのは、あっという間の3年間だったということ。浴衣を作ったり地域の方と交流したりと忙しい活動でしたが、仲間がいたからがんばることができました。
山口農園から梅の枝をいただいて染色したストールは、たくさんの方が身につけてくださいました。高齢者の方が「かわいいわね。値段もお手頃価格でいいわね」と言ってくださったとき、枝を運んだり染色に時間がかかったりしたことが吹き飛んでいました。
将来は看護師をめざしています。地域の方と交流して身につけたコミュニケーション力は、医療の道で活かすことができると思います。
今、家庭科部が掲げる目標は「地域貢献」です。例えば、おいしいものを作って自分が食べるだけでなく、誰かのためになることは、何かを考えることです。昨年から、地域活性化を目的に、近隣の梅農園とコラボレーションしています。生徒が農家を訪問して梅を収穫し、冷凍して梅ジュースを作り、「けやき祭」で販売。調理科のある学校とコラボレーションして、梅のパイも作りました。「ゆうパークおごせ」では、家庭科部員が考えたレシピを提供しました。地元のいろいろな方と交流し、つながった地域貢献が着々と進んでいます。
今後は地域貢献を福祉の分野にも広げていきたいと考えています。保育関係の進路を希望する部員が多いので、保育施設とコラボレーションしたいと思っています。さらに、越生は高齢者の方が多いので、高齢者施設との交流も考えています。家庭科は幅広い視点から社会を学びます。福祉もその中の一つ。今後、家庭科部の活動範囲はより多彩な分野に広がると思います。
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