2022年度の新学習指導要領に先駆け、共立女子第二高等学校では高1から探究学習の『共立探究』が始まりました。これは、思考力・判断力・表現力を体現するプログラムで、学校生活のすべてが題材になる学びの時間です。9月に行われる「白亜祭(文化祭)」は、クラスごとに立てた企画を実現する、まさに探究活動にふさわしい取り組みと言えます。
2022年度の新学習指導要領に先駆け、共立女子第二高等学校では高1から探究学習の『共立探究』が始まりました。これは、思考力・判断力・表現力を体現するプログラムで、学校生活のすべてが題材になる学びの時間です。9月に行われる「白亜祭(文化祭)」は、クラスごとに立てた企画を実現する、まさに探究活動にふさわしい取り組みと言えます。
夏休み前のある日、会議室には「白亜祭」の中心となる高2生たちが集まり、各クラスの文化祭企画を発表し、先生方が審査やアドバイスを行いました。今年のテーマは「百花繚乱」。各クラス、模擬店やお化け屋敷、ゲームなど、今まで実施してきた企画に一工夫し、趣向を凝らした企画案をプレゼンテーションしました。
模擬店として企画したのは「タピオカ販売」です。昨年の焼きそば販売を参考に、仕入れ先を検討し、1日何食販売できるかを計算し、販売する教室の装飾まで考えました。販売場所として候補に挙がったのは中庭です。「共立女子第二のシンボルでもあるバラ園を活かして、訪れるお客さまをもてなしたい」というのが理由です。質疑応答では「校内で食べ歩きが問題になったらどうする?」「何席くらい用意する?」「タピオカはどんな状態で仕入れる? 運搬方法は?」など、鋭い質問が飛び交いました。
お化け屋敷を企画したクラスは"今までにないお化け屋敷"にこだわりを見せました。バッドエンドとハッピーエンドの2つのストーリーを作り、お客さまが主人公になったつもりで、脱出ゲームの要素も入れたいという発表でした。3つの教室を使いたいというプレゼンテーションに対して、「教室のレイアウトはどうする?」「もう少しゲームの内容をイメージしたい」などの質問に対して、プレゼンターたちは一生懸命考え、答えていました。
"今までにない発想"を感じたのは、「ちんどん屋」企画です。4〜6人でチームを組んで、衣装を身に着け、ちんどん屋さん風の化粧をして、「鳴り物」となる楽器も自分たちで制作し、各団体の宣伝や案内係をするというのも。広告宣伝費で利益をあげることも考えていました。先生から「ちんどん屋は、その成り立ちや出で立ちも研究したらもっと奥の深いものができるはず」とアドバイスを受けるなど、さらに面白い企画になりそうでした。
今年からスタートした「共立探究」は、さまざまな事象に対して各自で「問い」を発見・設定し、主体的に活動するものです。
高1では、「読む力」「書く力」「考える力」を1年間かけて身につけます。そこで新聞記事のスクラップを作成し、情報収集・分析を行ったり、ビブリオバトル(※)にも挑戦したりして、言葉の力を高めていきます。
(※)ビブリオバトル@:小学生から大人まで、誰でも開催できる本の紹介コミュニケーションゲーム。「人を通して本を知る.本を通して人を知る」をキャッチコピーに日本全国に広がっており、小中高校、大学、一般企業の研修・勉強会、図書館、書店、サークル、カフェ、家族の団欒などで広く活用されています。
高2は歴史・国際・科学・文化・生活・キャリア・自然の7つの領域から各自がテーマを選択し、さらに自分の「問い」を立てて探究します。「白亜祭」の企画発表は、高2の3学期に行うプレゼンテーションのための練習なのです。
「飲食を扱う模擬店は、衛生面などの条件が厳しい企画です。ただ食べ物を販売するだけではなく、何か特色を出そうと生徒たちが思考を巡らせていたのがわかります。今年から探究学習が始まったこともあり、今までの殻を打ち破っていろいろなことに取り組んでほしいという願いがあります。『白亜祭』の企画プレゼンテーションには、各クラスの特色が出ていたと思います。
2学期から本格的に探究学習が始まりますが、まずは身近で親しみのあるテーマを設定できたらと考えています。例えば『嵐が活動を中止したら、日本経済にはどのような影響があるか?』など、興味のあるテーマがいいと思います。昨年は共立女子大学と連携して、大学生がキャンパスのある神保町について、高校生は八王子について調べてワークショップを行いました。
探究心とは、新しい大学受験に必要な力と言われており、これは社会人になっても必要な力です。高校時代にいろいろな刺激を受けながら、オリジナリティを持って学んでほしいと思います」(教務部主任/田端豊先生)
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