共栄学園高等学校では、毎年11月に高2生を対象に4泊5日の日程で沖縄修学旅行を実施しています。最初の2日間はひめゆりの塔、平和祈念資料館を巡り、戦争と平和について考えます。後半は沖縄の伝統工芸やマリンスポーツを体験できる「むら咲むら」へ。共栄学園で過ごす3年間の中で、誰もが「一番思い出深い」と話す行事について、高3生と、現在事前学習の真っ最中の高2生が、体験と期待を語ってくれました。
共栄学園高等学校では、毎年11月に高2生を対象に4泊5日の日程で沖縄修学旅行を実施しています。最初の2日間はひめゆりの塔、平和祈念資料館を巡り、戦争と平和について考えます。後半は沖縄の伝統工芸やマリンスポーツを体験できる「むら咲むら」へ。共栄学園で過ごす3年間の中で、誰もが「一番思い出深い」と話す行事について、高3生と、現在事前学習の真っ最中の高2生が、体験と期待を語ってくれました。
僕が衝撃を受けたのは、平和祈念資料館です。暗くて狭い防空壕や、戦争で亡くなった人たちの写真、当時の映像を見たとき、友達の肩を借りなければ立っていられないほどショックを受け、目の前が真っ暗になりました。このような状況を乗り越えてきた、当時の僕らと同じくらいの世代の人たちはすごいと思います。今の自分たちだったら当時、戦争を体験した人たちと同じような行動ができるかと考えてしまいました。戦争について、今の自分たちが知ることはとても重要なことだと思いました。
班行動で、道を間違えてしまい、長い時間歩いたとき、大雨で外に出られないときもありました。そのようなとき、普段、あまり話をしたことのないクラスメートと語り合えたことは、貴重な経験になりました。
事前学習から始まった修学旅行は楽しむだけではなく、学ぶことがたくさんありました。沖縄で起きた出来事は、現地に行ってこそ身にしみたことがたくさんありました。何よりも5日間、クラスメートと同じ時間を過ごせたことは、とても貴重な時間でした。
私にとって最も印象に残っているのは、ひめゆりの塔です。事前学習で沖縄戦の映像を見る機会があったのですが、正直な気持ちは「怖い」というものでした。できればもっと大人になって、自分の気持ちを整理できるようになってから沖縄に行きたいと思いました。でも、実際に現地へ行き、戦争を体験した方の書いた文章を読んだとき、それが今の自分と同じくらいの年齢だったことを知ったとき、17歳という今の自分が沖縄に行った意味はあったと感じました。
当時は自分の命を捨ててまで、国のために尽くすことがいいことだとされていました。でも、今はそうではありません。今の時代に生まれてきたことに感謝するべきだとも思いました。
班行動では、今まであまり話したことのないクラスメートと同じ班になり、一緒に行動しました。そのとき、学校生活でわからなかったクラスメートのことを理解できる場面もありました。距離感が近くなった人もいます。沖縄修学旅行は、お互いを理解し合う機会でもあり、視野を広げるためのチャンスでもありました。
沖縄修学旅行で期待しているのは、美ら海水族館です。僕は生物が好きなのですが、美ら海水族館には貴重な深海生物を見られると聞いて楽しみにしています。なかでも「カイロウドウケツ」という海綿の仲間である生物は、海に溶けている珪酸(けいさん)を体に取り込んで二酸化ケイ素を作り出すそうで、そのメカニズムはまだわかっていないとのことでした。僕は将来、海洋生物を研究したいと思っているので、今から楽しみです。
修学旅行は、文系、理系、運動系、すべてのジャンルで体験ができる場です。自分の興味がないことでも、実際に体験したら違うことを感じられるのではないかと思っています。
先輩方の体験を聞いて思いました。ひめゆりの塔はしっかりと見て、何かを感じたいと思っています。事前学習では、追い詰められて海に飛び込んだ人がいるという崖の存在を知りました。そのような場所に実際に行ったら、きっと何かを感じるはずです。
私は以前、長崎の原爆資料館に行ったことがあるのですが、沖縄と長崎との共通点や違いもあると思います。事前学習で沖縄戦のことを調べていると、ニュースで報じられている今の沖縄のことも耳に入ってきます。現地の方のお話をうかがう機会もあるので、何も知らないで行くのは失礼だと思い、勉強しています。
沖縄から帰ってきたら、クラスメートと意見交換ができると期待しています。また、5日間の日程の中では、クラスメートと話す機会もたくさんあると思います。沖縄修学旅行をきっかけに、自分の視野を広げたいと思います。
私が楽しみにしているのはマリンスポーツです。マリンスポーツはシュノーケリング、ドラゴンボート、グラスボートの3種類があり、「何もしない」という選択肢もあります。私は普段、あまり運動をしないので、シュノーケリングとドラゴンボートを体験したいと思っています。
将来の夢は看護師です。沖縄戦では、看護師の方が自分の命さえ危ないのに、傷ついた人たちを支えていたと知り、感銘を受けました。現地でも、できるだけそのような事実について知りたいと思います。私は家族旅行で沖縄に行ったことはあるのですが、クラスメートと一緒に行く沖縄では、まったく違う体験ができるのではないかと期待しています。
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