堀江先生本校の始まりは男子校ですが、1994(平成6)年に男女共学校となり現在に至っています。実は男子校が共学校になっても変わらない校風というものがあります。それは、男子も女子も総じて"おとなしく、まじめ"なところです。
その要因の一つには、『誠実・努力』の校訓と『報恩奉仕』の建学の精神があります。一人ひとりが長い伝統の中でそれぞれ個性を発揮しながらも、受け継ぐべきものを真摯に受け止めてくれているからにほかならないと思っています。しかしその一方で、もっとはじけてもいいのではないかとも思っています。
堀江先生のおっしゃる"はじける"とは、具体的にどのようなことでしょうか?
堀江先生例えば、高校受験を考えている中学生の皆さんには、「自分の型を破ってみる」という表現だと伝わるでしょうか。これは「世の中のルールを破ってもいい」と言っているわけではありません。私が皆さんに望むのは、勉強はもちろん、部活動でも趣味や特技でも、「高校生になったらこれをやってみたい!」「あの部活動でがんばりたい!」という夢を持って本校に入学してほしいのです。のびのびと学校生活を送ることができる本校の学校生活を通して、誰に遠慮することなく思いっきりはじけてほしいですね。
創立から90年という長い歴史の中で育まれてきた専修大学附属の伝統に、新たな息吹を吹き込みながら100年をめざそうという先生方の心意気を感じます。
堀江先生そう受け取っていただけるとうれしいですね。例えば、今から10年前、創立80周年を迎えた頃と比較すると、生徒たちは明らかに、自分からいろいろなことをやるようになってきています。この事実は、生徒一人ひとりが自らの意志で主体的な学校生活を送っていることを意味しています。
部活動の加入率も3学年を通じて非常に高く、学校周辺の地域の皆さまと、各種行事を通して触れ合う生徒も少なくありません。また、アメリカ・韓国・オーストラリアへの短期語学研修(5日~2週間)や、カナダへの中期語学研修(約4カ月間)、あるいは、専修大学主催の留学プログラムを利用して、韓国・ニュージーランドへ出かけていくアクティブな生徒もいます。
貴校の学校生活は楽しそうですね。
堀江先生そのとおりです! 本校の校長(根本欣哉先生)も常に、「楽しくなければ学校じゃない、楽しいだけでも学校じゃない」と宣言しているほどです。実は今年の卒業式には、ほとんど涙がなく、壇上にいる生徒の誰もがニコニコしていたというエピソードも生まれています。今まで経験したことのない明るい卒業式を見て、私もこれが本校の生徒が持つありのままの姿であることを実感しました。