乳牛を育てる畜産農家。朝早くから起きて乳搾りに挑戦しました。
タマネギ農家では、皮を向いて整えるお手伝いをしました。普段、何気なく食べていたタマネギも、これからは感謝をしていただきます。
羊蹄山の麓にあるジャガイモ農家は、東京ドーム2つ分の広さ。普段は家族だけで農作業を行っていることに驚きました。
命の大切さを教えてくれた農家の方と別れるときは涙、涙。「しっかり勉強しなさい」と励まされました。
3年間で約60kmを歩きつなぐトレッキングデー。仲間たちとさまざまなことを語り合い、将来を考えます。
横浜翠陵生の合言葉は"Think&Challenge!"。困難と向き合い、乗り越える挑戦を経て、大きく成長する3年間です。大きな挑戦の一つに、高2で体験する北海道ファームステイがあります。
「都会生まれの高校生にとって、北海道の大自然の中で行う農業体験は、初めてのことばかりのはずです。生徒たちがうかがう農家は、それぞれ手がけている作物が違いますし、なかには畜産農家もあります。自然は生き物ですから、ときに思うようにいかないこともあります。その日のうちに終わらせなければならない作業もあるでしょう。北海道ファームステイの目標は、一人ひとりが目の前にあるミッションに挑戦して、最後までやりきることです」
(入試広報部/田島浩平先生)
1学年約300人の生徒たちは、5〜7人が1つのグループを作り、各農家に配属されました。
畜産農家では乳搾りを体験し、排泄物の掃除も行いました。広大な農地で、牛たちが食べる牧草を作る農家があることも知りました。
ダチョウ農家では、動物園でしか見たことがないダチョウのお世話を経験。畜産農家の朝は早く、午前4時から起きて作業を開始したグループもあります。タマネギやトウモロコシ、ジャガイモ、メロンなどの農産物が、多くの人たちの手を経て自分たちの食卓に並ぶ"流通の一端"を教えていただいた生徒もいます。
「3泊4日という短い期間ですが、生徒たちは大きな達成感を感じていたようです。豚舎のある農家では、農家の方が大切に育てた豚をいただきながら、命の大切さについて教えていただきました。だからこそ、お別れのときは号泣です。帰ってきてからも手紙のやりとりをする生徒もいます。北海道の地震があったときには、お世話になった農家の方と連絡を取ったグループもありました」
貴重な農業体験は、進路にも影響を与えます。2017年度は農学や栄養学など、農業から派生した幅広い分野を進路選択した生徒たちがいました。
同校には、3年間毎年行われる"自分へのChallenge!"として、「トレッキングデー」があります。これは多摩川上流から約60kmを歩きつなげる行事です。
2018年度は青梅線の『羽村』駅をスタート地点として、高1では多摩モノレールの『柴崎体育館』駅まで、高2では、そこから小田急線の『和泉多摩川』駅まで、高3では京急の『六郷土手』駅まで、それぞれ約18km、4時間半ずつの道のりを歩き切りました。
「高1はゴールデンウィーク明けに実施するので、新しい仲間との絆を深めるきっかけになります。高3のとき、自分たちが歩いた道のりを、グーグルマップで見た生徒たちは衝撃を受けるようです。これだけの距離を自分たちは歩き切ることができたんだ、と達成感を感じますし、自分自身の自信にもつながります。なかには3年間、同じメンバーと歩くクラスもあります。仲間と語り合いながら歩いた経験は、3年間のかけがえのない思い出になるはずです」
(入試広報部長/庄大介先生)
ただひたすら歩いてゴールをめざす。その過程で目に映る土地ごとの表情に、生徒たちは新鮮な感動を覚え、自分の意外な力に気づくのです。
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