ウオーミングアップ。ペアになって、まずは30秒間話をすることから始めます。
前回のプレゼンテーションを振り返りながら、自己評価。思わず笑みがこぼれます。
入試広報部副部長の野澤清秀先生
自己評価するための基準となるルーブリックを作成するため、各自の目標を書き出します。
ルーブリックは複数の項目から構成されるため、それを一覧表(ルーブリック表)に落とし込みます。“考えて、書いて、発表する”の繰り返しが、このグローバルワークショップなのです。
新しい教育プログラムの一つとして、(株)ImaginEx・一般財団法人活育教育財団の講師を迎えて行う「グローバルワークショップ」が、2018年度から試験的にスタートし、2時間続きの授業が行われていました。
春から始まったグローバルワークショップに参加するのは3クラス分の生徒たち。スタートから約半年間、ネイティブ教員がテンポ良く話す英語を、生徒たちは十分に理解している様子です。2018年11月に行われたワークショップでは、「30秒間、とにかく話をする」というウオーミングアップから始まりました。
この日のテーマは「もしも新しい教室を作るとしたら、ゲーム室、昼寝部屋、カフェのどれがいい?」。大切なのは、その部屋を選んだ理由まで述べられるように準備すること。各自準備ができたら、2人がペアになって30秒間、話し続け、その様子をiPadで録画し、提出します。
「この取り組みは、TOEFL対策のテキストが基になっています。TOEFLのスピーキングパートでは、問われたことに対して即断・即決して、45秒間答える試験があります。もしも途中で止まったら0点になってしまうのですが、日本人は即座に判断して自分の考えを述べることに慣れていません。あいまいな答えになることも多いのですが、将来、さまざまな国の人たちと関わるなかでは、自分の意見をはっきりと述べられるスキルも必要になります。
このワークショップは、英語の習得はもちろんですが、英語のスキルだけを磨くものではありません。生徒たちは将来、多様な価値観を持った人と協働する社会で生きていきます。そのために、自分の考えを持ち、自分の言葉で人に伝えようとするマインドセットができれば、英語力はあとからついてくるものだと考えます」
(入試広報部副部長/野澤清秀先生)
ワークショップの1時間目では、前回のプレゼンテーションの振り返りも行いました。生徒たちはこの取り組みで成長すべき目標を定め、「できたこと」「できなかったこと」を自己評価しながら次に進んでいました。各自の目標は「得意なことを活かす」「笑顔をたくさんにする」「全員を巻き込む」「自分の意見をしっかりと持ち、発信する」「Self Discipline」「Positive」など。生徒たちは自己評価をするための基準となる「ルーブリック」を作っていました。
2時間目には、また別のグループを作り、長文を読んだり、エッセイを書いたりするなどの課題にも取り組みます。
ワークショップには英語の4技能を磨くためのさまざまな要素を盛り込みながら、“考えて、書いて、発表する”の繰り返しを行います。ワークショップがスタートした頃には、「何か質問は?」との問いに、なかなか手が挙がらなかったという生徒たち。今ではうながされる前に手が挙がり、自分の意思や考えを堂々と表現していました。
2019年度からは、グローバルワークショップをはじめ、生徒がめざす将来につながる“チャレンジ”をするための多彩な特別講座が始まります。
現在予定されているのは、プログラミング講座や絵画・音楽・能楽などの芸術講座、レゴブロックを使って最先端のテクノロジーを学ぶ講座など。それぞれ、外部の専門家と提携しながら内容が構築されています。
「日野田校長はよく『WHO ARE YOUを語れる人材になってほしい』と生徒に語りかけます。自分が何者で、何をしたいかを自分の言葉で語れるようになってほしいということです。
特別講座は将来につながる一つのチャレンジです。自分が将来、社会に対してどのような貢献をし、どのような人間になりたいかを発見してほしいと思います」(野澤先生)
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