武蔵越生高等学校は今から40年前、他校に先駆けてコース制を導入。その間、生徒の個性や希望進路に合わせた指導を実践し蓄積したノウハウを基に、2017年春にコースを再編し、新設されたのが「スーパー特進(S特)コース」(以下、S特)です。
S特の進路目標は、国公立大学・難関私立大学への現役合格です。その目的に向けてとくに重要視したもののひとつが、授業時間数の確保でした。
「入試科目数の多い国公立大学をめざすうえで、カリキュラム的に『7時限目の授業』を設定することで、とくに主要3教科をしっかりと学んでいこうということです」(S特コース1年担任)
7時限授業は週3日。1年次は火曜日に英語、水曜日に国語、金曜日に数学という組み立てで、各教科ともに授業の内容や発展させた演習問題など、通常の授業時間内では取り上げることが難しいものに取り組みます。
また、S特独自の取り組みとして月曜から金曜日までの週5日、朝8時から45分の時間を確保して「0時限授業」も実施しています。その狙いは7時限授業と同様に、学びの時間数を増やすことに加え、生徒たちを「朝型」にしていくことにあります。
「何をするにも人は朝が活動時間帯。頭も冴え学習効率も上がると考えています」(1年担任)
科目は英語・数学・国語、そして社会科の4教科を時間割に組み込んでいます。
「一日が0時限から始まり、週3日は7時限授業を受けるわけですから、一日の授業時間は当然長くなります。ですから生徒たちは知力のみならず体力もつきます。それは今後、受験勉強をしていく上で必要不可欠なことです」と、S特コース1年副担任の先生は話します。
「6時限終了後にショートホームルームがあって、掃除をして、そのあとに7時限授業を受けるわけですから、生徒たちも1年次の最初のうちはヘトヘトになります。ですが、ほかのコースよりも多く学んだという自覚とともに、そこでのがんばりを自信につなげてもらいたいという狙いもあるのです」(1年担任)
同校のめざすところは、塾や予備校を必要としない学びで、進路目標を実現させること。その一環として0時限と7時限の授業に取り組んでいるのです。