子ども向け絵本の人気者『ぐりとぐら』のペープサート。
ステージと観客席が一体となって盛り上がったグランドフィナーレ。
山口幸子先生と実行委員のスタッフ
「友達をつくりに行こう! おーっ!!」
衣装の制作を手伝ってくれた先生方に感謝!
愉快に踊ってエプロンシアター!
悪だくみをするキャラクターも、実はゆかいな仲間たち。
神奈川県内で唯一『幼児教育コース』がある緑ヶ丘女子高等学校。将来、子どもに関わる仕事に就くことを目標に掲げて入学してくる生徒たちが3年間、数多くの実践的な学びを通じて、切磋琢磨しながらも成長していく注目のコースです。
3年間で最大30日、7つの園(幼稚園・保育園)での実習を通して身につける経験は、幼児教育系上級学校(4年制大学・短期大学・専門学校)に進学する際の貴重なアドバンテージとなっています。
「3年前に幼児教育コースに入学した12期生たち37名は、今日の『卒業制作発表会』の場を通して、3年間の学びの成果と身につけたスキルのすべてを披露します。入学してからこれまで一度もクラス替えをすることなく、共に成長してきた生徒たちの、渾身のパフォーマンスをぜひお楽しみください」(担任/山口幸子先生)
今年で12回目の開催となる卒業制作発表会。テーマは37名の生徒たちが考え抜いた造語の『創志想愛』です。「創志」には良い作品を創り上げるというみんなの志を、「想愛」にはお互いを思いやる愛情を込めたそうです。
「今回の卒業制作発表会の開催にあたり、クラスから5名の実行委員が選ばれましたが、最初から最後まで問題がなかったわけではありません。準備期間も約4カ月半と長く、勉強や部活動との両立も難しいので、作品そのものが暗礁に乗りかけたこともありました。でもそんなとき、いつも原点に戻るつもりで確認し合ったのが『創志想愛』でした。高1から3年間、ずっと同じクラスで学び続けた私たちの団結力を今日、多くの観客の前で披露できることがうれしいです」(実行委員/Мさん)
会場となった視聴覚室には、いつも間近で成長を見守る家族だけでなく、実習でお世話になった幼稚園や保育園の先生方、日頃から同校の幼児教育コースの活動に理解を示す大学関係者など、多くの来賓も列席。来賓を迎えるにあたり、ていねいに案内状を出し、おもてなし用のランチョンマットを制作したのもすべて生徒たちです。自分たちができることはすべて主体的に行うというポジティブな姿勢は、「幼児教育に携わりたい」との夢を描く生徒一人ひとりの明確なキャリアデザインから醸し出される“やる気”以外の何物でもありません。そんな心やさしくもたくましい生徒たちを、会場に足を運んだ来賓の方々も高く評価していました。
1時間30分にも及ぶ卒業制作の核となるのは、「オペレッタ」と呼ばれる歌劇です。一般的に“軽演劇”と訳されますが、保育の現場では、幼い子どもたちが歌ったり、ダンスをしたり、演じたりする教育活動のことを指しています。間もなく卒業を迎える3年生は全員、高2の文化祭で『白雪姫』のオペレッタを経験しています。
「『創志想愛』のテーマを掲げ、みんなが主役になることを目標にして創作された今回のオペレッタには、誰もが知っているディズニー映画のキャラクターたちを総登場させています。一方、ピアノ演奏やダンスパフォーマンスのほか、ペープサート(紙人形劇)やエプロンシアター(エプロンを舞台に見立て、ポケットから人形を取り出したりして見せる人形劇)など、私たちが実習の現場で身につけた幼児教育のスキルもふんだんに取り入れています。
小さなお子さんから大人の方々まで、ステージの上だけでなく、観客席も一体となって盛り上がる熱いパフォーマンスでお楽しみください」(Мさん)
その前向きな言葉のとおり、総勢37名によるダイナミックなステージは、片時も目が離せない楽しさで展開。観客席では、幼児教育コースで学ぶ高2の後輩たちも一緒になって盛り上げました。
終了後、実行委員の一人に出来ばえを聞くと、「みんなが主役になれたことが一番!」との声。成功か、失敗かではなく、同じ志を持って入学し、切磋琢磨しながら成長してきた仲間同士だからこそ心から称え合うことができる、感動のステージがここにありました。最後にうかがった山口先生の言葉が印象的でした。
「私は3年間、持ち上がりで生徒全員と接してきましたので、“こんなこともあった”“あんなこともあった”と振り返りながら、一人ひとりの成長ぶりを目の当たりにすることができました。したがって今日の卒業制作発表会はとても感動的でした。それともう一つ、観客として参加した高2生たちも大いに楽しんでいる様子でしたので、『次は私が成長する番』などと、新たな決意が芽生えていることを期待しています。これから高校進学を考える中学生の皆さん、とりわけ“自分も将来は幼児教育に携わりたい”と考えている生徒さんにはぜひ、本校の幼児教育コースに興味を持っていただき、ここでしか学ぶことができない貴重な3年間を良き伝統として、継承していってもらいたいと思っています」
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