個人研究の内容や部全体の取り組みについて熱心に話してくれた部長(高2)。
芝川の歴史について文献調査を進める。昭和初期、大正にできた文献をたどることも。
秋の私学文化祭に向けて研究成果をまとめる。
講義室を使って研究発表のプレゼンテーション練習。
研究手法などをアドバイスする顧問の先生。地震研究の専門家です。
同校では、志望大学への現役合格に対応した学力を養成するのはもちろん、大学進学後、そして社会に出てからも活かせる能力を育てるアクティブ・ラーニングを早くから導入しており、生徒が主体的に学ぶ校外学習や探究学習に力を入れています。
例えば理科研究部では、「芝川の調査(生息生物・水質・プランクトン・流域アンケート・清掃活動)」「地震・火山・気象の地球科学分野の研究」「個人研究」の3つの柱をテーマに活動。いずれも生徒が主体となって進め、問題発見力や課題解決力、論理的思考力を磨きながら、論文や学会など外部での発表を通じて他者に伝える取り組みを行っています。
「誰かにやれと言われてやるとか、先輩の研究を引き継いでやるとかではなくて、自分の研究を突き詰めていくというものなので、どういう資料を集めればいいのか、開拓していかなければならない部分が多いので、やりがいを感じます」と、部長(高2)は話します。
部長をはじめ、高校の学習内容を越えた専門性の高い研究に没頭する生徒もいます。
「一人ひとりが興味を持った分野に取り組むのは楽しいけれど、自分でやるべきことが増えていくのは大変です。その分、研究が形になったときや新たな発見があったときは達成感があります」
そう話す部長ですが、初めからテーマを持って入部したわけではないと言います。
「以前、理論化学の分野でマイナーな研究をしている先輩がいました。僕にはまったく理解できない世界でしたが、研究に夢中になっている姿を見て、そこまで没頭できる魅力がどこにあるのだろうと思い、自分もやってみたいという気持ちになりました」
個人の興味に沿ってテーマを追究する一方で、部としての活動もあります。その中心となる活動が、キャンパスの近くを流れる「芝川の研究」で、創部からすでに30年近く続いています。中高6学年の部員たちが交流しながら、何代にもわたって研究を伝承してきたことも、理科研究部の強みです。
「文化祭などの展示では高3生も参加して、学年の垣根を越えた活動をしています。考え方や理解度の違う年代が集まっているので、部としてまとまるのは簡単なことではりません。なので、中1・中2の部員への配慮を心がけています。一人ひとりの意見にきちんと耳を傾けるのが大切です」
調査活動や研究発表を通して多くの人と関わったり、研究成果を学外に発信したりと、活動の場を広く展開しているのも、同部の特徴です。
「研究では、川にある橋ごとに棲息している生き物や水質の調査をします。そのほかに、芝川の周辺地域に暮らす方々を対象にアンケート調査も行っています。600件ものアンケートをとったり、学校全体に呼びかけて約2,000人にアンケートをとったりしたこともありました」
ここ数年は「私学文化祭(※1)」への出展や、「つくばサイエンスエッジ(※2)」にもポスター展示で参加しており、そこでの他校との交流は、部員たちにとって刺激になっているようです。
「他校の生徒の研究を見て新たな発見があったり、参考にできることがあったり、行き詰まっていた研究の解決法が見つかったりすることもあります。自分にはないアイデアを取り入れられる絶好の機会になっています」
理科部の研究を知りたい方は「ぜひ私学文化祭に足を運んでほしいという」と話す小松くん。アクティブな学びに満ちた部活動が、学校生活をより充実したものにしています。
(※1)埼玉県内の私立高校が集い、例年秋に開催される文化祭
(※2)全国の中高生が参加する科学のアイデアコンテスト
ますます人気のチアダンス部。中高合同で練習しています。
真剣な表情で先輩からのアドバイスに聞き入ります。
練習中も本番同様に笑顔を意識! こちらも思わず笑顔になってしまいます。
ダンスの基礎をしっかりとトレーニングします。
全員が呼吸を合わせ、気持ちをひとつに。
チーム名は「VENUS」。
「JCDA(日本チアダンス協会)」「USA(ユナイテッド・スピリット・アソシエーション・ジャパン)」の全国大会に毎年出場することを目標に掲げ、熱心に練習を重ねる部員たち。
「大会で賞を取るのが目標です。私たちは常連の強豪チームではありませんが、自分で目標やライバルを定めて、日々がんばっています」
そう話す部長(高2)ですが、部活動を通した成長はダンスの競技力だけではありません。
「野球部の応援に出かけたり、文化祭で来場者に演技を披露したりと、学外の人に見られる機会がたくさんあるので、"学校の顔"として自分自身はもちろん、部員の指導でも"チア部としての態度"を重視しています」
それは部長が先輩から受け継ぎ、大切にしてきたものです。中1からずっと部活動を続けてきたなかで、礼儀を重んじることの意味を先輩たちに教えてもらいながら成長してきたと言います。
「みんなから応援してもらえるようなチームにしたいと思っています。そのためには礼儀やマナーを重んじ、学校生活では規則を守り、勉強との両立もきちんとするという姿勢が大切です。それを前提に、ステージで披露したり、野球部の応援や大会に出場したりしています」
そして今、部長となり、そうした伝統を後輩たちに引き継ごうとしています。
「中学生の頃はあいさつすること、先輩より早く動くことを心がけていました。学年が上がるにつれてそうしたことが自ずとできるようになってくると、今度は後輩たちの手本になるように、と心がけるようになりました」
最近のダンスブームの影響で新入部員も増え、大いに盛り上がるチアダンス部。たくさんの後輩たちにVENUSの伝統を引き継ぎ、活動範囲を広げていけることも、高校生部員のやりがいとなっています。
「自分が上級生になってみて、先輩たちの大変さがわかりました。人数が増えてチームのフォーメーションや一人ひとりの割り振りを考えるのは大変なことです。中学生の頃は"先輩みたいに踊りたい、先輩みたいになりたい"と、自分がどうなりたいかということばかりに気を取られていましたが、今は、"下の代がもっと良くなるためにどうしてあげたらいいか"ということを考えるようになりました」
後輩の指導という役割をこなしながら、練習にも打ち込む部長の学校生活は忙しく、片道1時間かけて帰宅します。最終下校時刻は19:00(中学は18:30)。これまで部活動と勉強の両立を続けてきました。
「部活動のあとは疲れてしまって、帰宅後に勉強の時間を取ることが難しいので、朝早く登校して勉強しています。
今は、ここでチアをやりたいという大学があって、そこをめざして勉強しています。難関大学なので、合格するためには勉強もがんばらないといけません。部活動を熱心に続けることが勉強の妨げになるとは思いません。これまで続けてきたチアをやりという気持ちが、受験へのモチベーションアップになると思います」
最後に、キラキラとした瞳でチアダンス部の魅力を話してくれました。
「チアダンスに関しては、部員同士で真剣に意見を言い合いますし、着替えるときや休憩、食事など、行動をともにする機会が多いので、強い絆が生まれます。ステージに立つという経験はキラキラした特別な思い出。そんな特別な経験をできるのが、チアダンス部の魅力です!」
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