描く絵は油絵やアクリル画、水彩画など。木工作品もつくります。
下絵に集中する部員。
画材にアクリルを使って、作品づくりに取り組む務臺さん。
教え込むことはせず、「その生徒らしさ」を大切に育むため、自由に描かせています。先輩の影響を受けて、部員たちはどんどん上達していきます。
自分の好きなことをどこまでも追求できる部活動です。先輩たちはみんな個性的で、作品にもその個性が活かされていて刺激を受けます。
玉蘭祭で先輩の絵を見て、私もこんな作品を描けたらと思って入部しました。自由に好きな作品づくりに没頭でき、毎日が充実しています。
同校の美術部は、協同制作というよりも、一人で自由に描くことが特色です。取材したこの日(6月)は、顧問の宮西寛人先生のアドバイスのもと、部員たちが作品づくりに励んでいました。部長の田良島くん(高2)は次のように話します。
「今描いている絵のタイトルは『異形』。海の中にもぐるゲームをモチーフにして、水色とオレンジを配し、水中の生き物を表現した作品に仕上げています。海の中をのぞきながら誰かが一人称で何かを語っているというイメージです」
同部は2月の全日本学生美術展、8月の学展、9月の玉蘭祭(文化祭)に出品しています。全日本学生美術展と学展は、幼稚園児から小中高校生、大学生までが参加するコンテストで、なかでも権威ある学展で2017年、同校は2年連続大賞を受賞。2016年の大賞受賞者は、現在高校3年生の水野くん。その作品はパリの日本文化施設に展示され、水野くんはパリに招かれています。
「日々の制作活動のなかで、本当に自分のやりたいことを見つけ、美術大学に進学する部員もいます」
(顧問/宮西寛人先生)
これまで部員たちは東京藝術大学や武蔵野美術大学、多摩美術大学に進学しています。副部長の
「与えられたものの中で努力して、自分自身の枠を広げてほしいと思います」(監督/宮坂拓弥先生)
グラウンド以外の場所も最大限に活かして、ドリブルの練習に打ち込みます。
練習のメニューは自分たちで考えます。そのために部員たちは主体的に練習に取り組んでいます。
「副将長という立場上、僕のプレーをはじめ、言動がみんなから見られていたはずです。そのため後輩から信頼を得られるよう、常に緊張感を持って行動していました」
「主将としてチーム全体の動きを見なければならなかったので、普段気づかないようなことに目が行き届くようになり、成長できたのではないかと感じています。大好きなサッカーを大学でも続けたいと思っています」
「副将として、みんなの声に耳を傾け、まとめていかなければなりませんでした。その分、やりがいがありましたし、責任を果たすことの大切さに気づきました」
「持っていないものではなく、持っているものを意識して練習しようと呼びかけています。例えば、本校には大きなサッカー場はありませんが、素晴らしいチームメートがいます。心をひとつにすれば、大きな舞台で活躍できるのです」
「部のモットーのひとつが『文武一道』。勉強も部活動も同じという意味で、どちらも基本が大事だからです。そのためサッカー部では、基本テクニックを重視しています。基本を固めていけばいくほど、高3になって基本が活きてくるのです」
と、監督の宮坂拓弥先生は話します。
前主将を務めたのは、玉生(たまにゅう)くん(高3)は、サッカーの魅力を次のように話します。
「サッカーの魅力は、頭脳プレーが重視されているために、考える力が身につくこと。そして、全学年の部員が一緒に練習しているので一体感があることです。こうして日々、練習しながら部員たちは切磋琢磨しています。みんなで力を合わせて試合に勝てたときは、うれしさで胸がいっぱいになります」
前副将は2人。秋本くん(高3)と中安くん(高3)です。
「これまでサッカーのクラブチームに入っていて、高校生になって初めて部活動に参加して、その良さを知りました。誰かのプレーがうまくいったり、試合に勝ったりしたときに、喜びを分かち合えるという素晴らしさがあります」
そう話す秋本くんの将来の目標は、社会科の教師になって、中学生や高校生にサッカーを教えることです。
中安くんは次のように話します。
「サッカーの醍醐味は、何が起きるか予測がつかないことです。例えば0対2でこちらが負けていても、ロスタイムで追いついて勝つこともあるからです。
目標は大学の国際関係学部で学ぶことです。サッカーを言いわけにはしたくないので、練習で疲れていても自宅で毎日勉強するようにしています」
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