夏休み中に練習場にやってきた部員と記念撮影。全国大会を4日後に控えた時期でもあり、それぞれが最後の調整に励んでいました。
スクワットに取り組む山田くん。「胸を張り」「お尻を突きだし」「膝をつま先より前に出さない」ことが動作のポイント。
ベンチプレスに取り組む富田くん。ベンチプレスは主に大胸筋・三角筋・上腕三頭筋に効果があるバーベル筋トレメニューで、上半身の押す筋肉を発達させる上で基本となる種目です。
2年連続で世界大会に出場し好成績を収めた2人。腕の日の丸も輝いていました。
浦和学院高等学校の理想は、ズバリ「常に前向き、そこに夢と希望がある明るく開けた学園」というとてもポジティブなものです。生徒数が2,500名を優に超えるマンモス校の浦学には、生徒一人ひとりの前向きな姿勢を応援し、夢と希望をもって明るく挑戦できるクラブ活動があります。今回紹介する運動部の「パワーリフティング部」もその一つです。
「パワーリフティング」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。ひょっとしたら「初心者には難しいスポーツ」「マッチョな男子だけのスポーツ」といったイメージがあるかもしれませんが、それは違います。なぜなら浦学のパワーリフティング部は、部員のほぼ全員が初心者で入部し、女子部員も男子と一緒に元気に活動しているからです。ちなみに、現在の部員数は33名で、うち3名が女子部員です。
「ほぼ全員が初心者」といってもその戦績はすばらしく素晴らしく、昨年度は、全国大会団体優勝(男子)、世界大会個人総合3位、同個人種目別優勝と堂々たるもので、過去の実績も、全国大会団体優勝(男子・女子)、同個人優勝(男子・女子)、世界大会個人種目別優勝(男子)と光ります。なぜここまで強くなれるのでしょうか。その秘密は、浦学の運動部の中でも1、2を争う“団結力”にありました。
「パワーリフティングは、スクワット(※1)、ベンチプレス(※2)、デッドリフト(※3)を基本種目とした個人競技ですが、種目個々の優勝で満足するのではなく、それぞれの得点を総合して“高校として完全優勝しよう”と声をかけ合って練習しています。一人ひとりがみんなのことを思う力を結集して、これからも頂点をめざしていきたいと思っています」(コーチで同部OGの岡村美里先生)
※1 スクワット=バーベルを肩に担いで立ち、しゃがんでまた立ち上がる。
※2 ベンチプレス=ベンチの上で仰向けになり、両手でバーベルを胸の上に押し上げる。
※3 デッドリフト=床上のバーベルを両手で腰まで持ち上げて直立する。
全国大会と国際大会で活躍している高3生2人から、パワーリフティング部の魅力をたっぷりと語ってもらいます。
1人目は、山田くんです。山田くんは中学までサッカー部に所属していました。
「初めからパワーリフティング部に入ろうと思っていたわけではありません。入学してすぐに仲良くなった友達が入部したいと言っていたので、部室についていったのが始まりです。先輩たちがみんなやさしくて、練習も楽しそうだったので、試しに自分もやってみようと思いました。今は53キロ級から59キロ級へと階級を上げて、高校最後の総合優勝をめざしてがんばっています」
パワーリフティングと出合った山田くんの体つきは、練習を重ねるたびにたくましく成長し、同時に記録も面白いように伸びていったようです。
「練習をやればやるだけ楽しくなってきます。それは記録が伸びていくからです。昨日より今日、今日より明日というふうに汗を流せば、どんどんモチベーションも上がっていきます」
2人目は、富田くんです。富田くんもサッカー少年でした。
「サッカーは好きですが、強豪の浦学サッカー部でやっていく自信がありませんでした。そこで別のスポーツをやろうと探していた時、友達に誘われてパワーリフティング部に行ってみました。最初は体験入部でしたが、先輩方の記録を自分が更新したいという思いで汗を流しているうちに、本気モードになっていきました。入学当時に比べたら、体重は15キロくらい増えたと思います。パワーリフティングで鍛える筋肉は、ほかのスポーツでも効果的に使えますし、歳を重ねてもやり続ければ健康維持にも役立ちます。ぜひ皆さんの入部をお待ちしています!」
山田くんも富田くんも過去に2度、世界大会に出場しており、上位入賞を果たした強者です。高3最後の夏には高校全国大会があり、2人とも「有終の美を飾って卒業したい」と力強く語ってくれました。
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