国際交流ボランティアに所属する生徒たちの活動報告の1コマ。普段から積極的に活動しているので、発表もわかりやすく、落ち着いて臨んでいます。
セブ島研修旅行での1コマ。語学研修以外に、「貧困層の実情を知る」というテーマで現地校の生徒たちとも触れ合います。
国際協力プロジェクトでの1コマ。クラスごとに担当する発展途上国を決め、その国が抱える問題発見して解決策を検討、実行します。
JICAと連携した国際交流ボランティアの生徒たちによる活動報告の1コマ。ほかにも大学や企業と連携するプロジェクトにも積極的に関わっています。
『グローバル教育センター』という専門セクションを設置し、国際理解教育を幅広く展開してきた同校。この分野への取り組みの歴史は長く、これまでに関わった国は計46カ国におよびます。同センターの長、山名和樹先生はこう解説します。
「“世界”に関わる取り組み、短期・長期の留学や国際研修旅行のセッティングやスケジューリングなどは、この部署が一手に引き受けています。また、本校には年に数回、海外から視察団が来校されるので、そうした方々への対応やおもてなしも担当しています。『国際交流ボランティア』に所属している生徒たちが積極的に活動してくれています」
海外からの多くの視察団来訪が、同校の取り組みへの評価を物語ります。そして、国際交流ボランティアはどのような存在なのでしょうか。
「これは生徒たちの任意組織で、海外の人々と交流する際、常に前面に立って活動する生徒たちの集団です。視察団のおもてなしのほか外国人留学生との交流や、学園外の国際交流イベントへの参加などに従事。30名以上の生徒が所属し、さまざまな局面でアクティブに活動してくれています」
このほか、諸外国からの留学生の受け入れや、九州研修旅行(高2)で行うAPU(立命館アジア太平洋大学)の海外留学生との触れ合いなど、同校は海外だけでなく国内で行う国際交流にも力を注いでいるのです。
海外を体験する機会も豊富に設けられています。とくに注目されるのは、国際研修旅行における訪問先の豊富さと内容の充実ぶりです。
「夏期・冬期・春期の長期休暇時に計5カ所の研修先を用意し、生徒の希望により選択制で実施しています。それぞれで内容やテーマも違うのです」
各コースの内容を見ていきましょう。
そして同校を象徴する取り組みが、高2の1年間にわたり展開される『国際協力プロジェクト』。国際研修旅行は希望者対象ですが、こちらは高2が全員参加で実施される大プロジェクトです。
「ルワンダ、タイ、ミクロネシアなどクラスごとに担当する開発途上国を設定し、その国が抱える問題を発見して解決策を検討、それを実行するところまで行います」
各クラスで問題点を話し合い、生徒個々がその解決策を提案。そのうち賛同の声が多かった数種のアイデアを採用してグループを編成し、その実行へ向け活動していきます。
1年間の流れを追うと、1学期までにグループ決めをして個々で検討を行い、2学期は全体に向けてのプレゼンテーションの準備と実践。10月頃にJICA(青年海外協力隊)の関係者や大学・一般企業の有識者の方々を招いて中間報告会を開催して、その後2月まで実際に活動します。3月以降は1年間におよぶ活動報告書を作成し報告会に臨むのです。
JICAや大学、一般企業と連携して行う取り組みなので、アイデアの内容は必然的にクオリティの高いものになります。そして、最大のポイントは問題解決に向け『実際に活動を起こす』ということ。ここまで踏み込み、しかも全員参加で国際理解教育を実践している学校は、あまり見受けられません。
「こうした本校の多彩な国際プログラムを通して世界に通用する『広い視野』を培い、また『自分はできる!』という揺るぎない自信を生徒たちが得ることに期待しています」
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