大学卒業後、30数年間にわたり埼玉県の公教育に携わり、今春、本校の校長に就任しました。私という人間を少しでも知っていただくため、まずは自己紹介をさせていただきます。
もともと医師志望で医学部をめざしていたのですが、思うようにはいかず理学部数学科へ進学しました。大学時代はパワーリフティングに力を注ぎ、学生全日本チャンピオンにまで登り詰めました。現在でもトレーニングは継続しています。
教員免許を取得していたため、大学卒業後は埼玉県の高校教員になりました。学生時代に培った体力を買われてか、当時、やんちゃな生徒が多く在籍する高校に赴任。公立では異例な長さの11年間、その高校に勤務し続けました。その後、赴任した数校の進学校では学習指導・進学指導に力を入れ、高い学力を養成するため数々の教育改革を実践し、何とか成果を挙げることができました。
医師の夢を絶たれ、当初は念頭になかった教員となったのですが、この道をたどるなかで「教員は自分の天職」と言い切れるようになりました。そしてその間、大学へ通う間に培った精神力がやんちゃな生徒たちとのコミュニケーション作りに、そして学習指導・進学指導に役立ったのです。人間の進む道は1本のみに限定されているわけではなく、折々で取り組んだものが意外な形でプラスに働くケースもあるのです。
人生は完璧には予測できないものです。とにかくその折々で前向きな努力を続けていれば、必ず道は開ける――。自分の過去を振り返りながら、そうした思いを強くしています。