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私立高校 進学なび

2017

独自の教育プログラム
東洋大学京北高等学校

常識を疑うことから始め、体験を通して
考えを深めていく「哲学教育」

沖縄では、戦争で犠牲になった方々の遺骨や遺品の収集をしている方から話を聞き、戦争の現実を知って言葉を失いました。

思考プロセスを習慣化させ自分のものにしていく

 同校では、週2時間の「倫理」の授業の中で「哲学教育」に取り組んでいます。創始者である井上円了の建学の精神「諸学の基礎は哲学にあり」を教育の軸に据え、自ら考え、論じ合い、自分の価値観を築いていけるように導いています。

「哲学」は“抽象的な問題を扱う限られた人だけの学問”という気もしますが、同校の「哲学」の授業は違います。世の中の常識とされていることについて「なぜそうなの?」「その根拠は?」「それ以外は考えられないか?」と、自分自身に疑問を投げかけ、考え、ほかの誰のものでもない自分なりの答えを探し出していくのです。同校ではそれを“哲学する力”と捉えています。思考プロセスを習慣化させて自分のものにしていく授業と言っていいでしょう。そうして得た自分なりの答えを、毎年3月に行われる「哲学の日」で発表します。

教室を飛び出して現場へ赴き
五感で体験して思考を深める

 もう一つ、「哲学」の授業には大きな特色があります。それは“頭でっかちにならない”こと。教室を飛び出し、現場に行って、そこで起こったことを五感で体験するのです。見て、聞いて、嗅いで、味わい、肌で触れる。つまり実体験に基づいた思考の深化を重視しているのです。

 例えば、そのために行っているのが希望者を対象とする「哲学ゼミ」です。一昨年の夏休みに実施した「哲学ゼミ」では、2泊3日の日程で東日本大震災の被災地となった岩手県大槌町を訪れ、津波被害と復興の様子を見学。仮設住宅でボランティア活動を行い、被災者の体験談を聞きました。そしてそこで耳にした内容は、生徒たちがニュースなどで知ったこととは大きく違ったものでした。

 被災者の心の葛藤、「なぜ、自分だけが生き残ったのか?」。同じ被災者同士でも、「仮設住宅に入れた人、入れなかった人」の間でわだかまりがあったと言います。そして復興をめざして助け合うこと、自分のことだけでなく他人を思いやる心、感謝の気持ち……など、実際に被災された人たちの言葉には血が通っていました。その夜、生徒たちはたき火を囲んで炎を見つめながら論じ合い、それぞれの考えを深めました。ある生徒は「自分はこの4年間、何をやっていたのか」と自身の在り方を問い直し、ある生徒は「他人のために生きたい」と願うようになりました。その記録は「第1回哲学ゼミ」合宿実施報告書にまとめられています。

2015年には東日本大震災で津波の被害を受けた大槌町旧町役場の前で、被害の大きさについて学びました。

夜はディスカッションを通して哲学的な思考を深めていきます。

現場で得た実体験だからこそ
生徒の心を揺さぶる

普天間高校の生徒たちと一緒に「平和の礎」を調査するグループワークを実施。

 昨年の「第2回哲学ゼミ」では、『戦争がもたらした沖縄の課題と現状』をテーマに沖縄を訪れました。そこでも生徒たちは戦争体験者の話に耳を傾け、遺骨の収集を行い、戦争で実際に使われ手つかずのまま残っているガマ(洞窟)を五感で体験。さらに米軍基地周辺でフィールドワークを行いました。その行程の途中、地元の人から「そんなきれいな服を着たあなたたちには一生わからない。ここは遊びで来るようなところじゃない」という厳しい言葉を投げかけられたそうです。でもその人は、本当は若い世代の高校生たちに「わかってほしい」と願っていたのではないでしょうか。なぜならその言葉は生徒たちの心に届いて思考を深めたからです。現場に行ったからこそ、得ることのできた体験でした。

 そして第3回目の「哲学ゼミ」は、開設から今年で10年目を迎えた「こうのとりのゆりかご」を視察するために、熊本慈恵病院を訪問します。そこでも蓮田太二院長による講話や熊本県立大学の先生による講義とディスカッション、「赤ちゃん縁組」をされたご家族との対話などが予定されています。果たして生徒たちの心はどのように揺さぶられるのでしょうか。そして生徒たちは一体何を得るのでしょうか。

 ほかにも「哲学教育」の一環として「刑事裁判傍聴学習会」(希望者対象)を実施し、実際の刑事裁判の傍聴や、東京拘置所、横浜刑務所などを訪ね、検察官、弁護士、新聞記者の方々とディスカッションを重ねています。

 現場に行くこと、そして当事者と向き合うこと─。そうして得た自分なりの考えを深め、哲学する力を高めていくのが同校の「哲学教育」なのです。

(この記事は2017年11月に掲載しました。)

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