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私立高校 進学なび

2015 No.2

私学トップインタビュー
女子美術大学付属高等学校

世界に広がる美術系高校出身者が活躍する領域で
デザイン、アートと関わりのない生活はない

小川 正明おがわ まさあき 校長
1947年 埼玉県浦和市(現さいたま市)生まれ。女子美術大学短期大学教授、学部長、常務理事を経て2013年より付属高等学校・中学校校長。 クラコフ、イビザ、ソウル、リュブリアナなど数々の国際版画展に出展。(社)日本版画協会会員、(社)日本美術家連盟会員、現在,女子美術大学理事・名誉教授、臨床美術学会理事。

「美大を出てどうする?」という概念は今や昔の話

「子どもの頃から持っていた「こだわり」を大事に、広い進路選択ができる。これが女子美の最大の特徴です」と話す小川校長。

「子どもの頃から持っていた「こだわり」を大事に、広い進路選択ができる。これが女子美の最大の特徴です」と話す小川校長。

 私は1947年生まれで、美術の道に進みたいという思いはあったものの、「美大を卒業して、どうやって食べていくの?」と、美大には行かせてもらえなかった世代です。一方で、当時は70年安保の時代でもあり、周囲の学生たちが学生運動に没頭するのを見ながら、自分も悔いのない生き方をしたいと思い、初志貫徹で美術の道を歩んできました。私よりも少しあとの世代でも、とくに女性は「女子が絵描きになってどうする」と言われ、美術の道を諦めた方は多いことと思います。

 ところが近年、社会でデザインが果たす役割や、美術系の領域は非常に広くなっています。生活の中で見るもの、触れるものを見回してみても、デザインに関係のないものは皆無と言っていいでしょう。女子美術大学でも、将来、病院や老人ホームにおいてデザインやアートで心を癒す「ヒーリング表現領域」に人気が集まっています。つまり、美大で学んだことを生かせる仕事の幅は非常に広いということです。そのような状況の中、本学は美術大学の中でも就職率トップの美大となりました。

美大以外の進路志望もかなえる学科選択制度

 本校の特徴は、美大の付属校でありながら、普通科の高校であるということです。

 当然一般の高校よりも美術の授業時間数は多いのですが、普通科高等学校としての学業も重視しています。高校生として必要な学力を身につけながら美大進学をかなえられるのは、中高大一貫教育であるからです。つまり、高3の3学期まで、受験に捉われることのない美術教育ができるということです。

 もちろん、全員が美大進学を希望するわけではありません。途中から美大以外の大学に進学したいという生徒には、美術の時間すべてを受験に必要な科目の授業に充てることができる「学科選択」の制度があります。これは1人であっても授業は行います。

 本校を選んで入学するのは、もともと絵を描くのが好きで、美術に興味がある生徒たちです。しかし、授業や学校行事の中には、いろいろなことを考え、表現し、発表する機会が数多くあります。例えば美術の課題に取り組むときは、自分の内面を見つめることが不可欠です。あるいは運動会でダンスの衣装を作ったり、振付を考えたりしながら、絵を描く以外の表現方法に興味を持つこともあるでしょう。演劇部で脚本を書いているうちに、文芸の世界に進みたいという志望も生まれてくるでしょう。学校生活のさまざまな体験を通じて、美術以外の目標が出てくるのは当然のことです。だからこそ、「学科選択」という制度があり、本校が普通科であることに意味があるのです。本校の進路指導は、「美術とそれ以外」という選択肢ではなく、いろいろな手段の自己表現を経験しながら、幅広い進路選択ができることに特徴があります。

美術以外にもさまざまな体験を通じて「3つの美」を育てます。

女子美で育てる「智の美」「芸の美」「心の美」

 推薦で女子美術大学に進学する割合は、現在約7割強です。女子美の卒業生が社会に出て「あなた、女子美でしょう?」とよく言われるというのですが、それだけ女子美生には特徴があるようです。その一つの要因は、「男性にこびないこと」ではないかと思います。自分の好きな世界を追究し、自己表現をする中で、自ずと自立心を養うのではないでしょうか。そのためか、社会に出て起業する卒業生も多いと聞きます。

「学科選択」の制度がなかった頃から、卒業制作を仕上げながら受験勉強をして、難関大学に合格を果たす生徒がいました。学科選択ができた今でも、高3の絵画コースで油絵を描きながら東京外国語大学に合格した生徒がいます。彼女らは本校で自己表現を経験し、さまざまな創作活動を通して、「こだわり」を学んだのではないかと思います。

 教育理念に「智の美」「芸の美」「心の美」という3つの美が謳われています。本校で養われる「3つの美」は、人生の壁にぶつかったときに乗り越えるための力です。そして一人の女性として身につけた「3つの美」を、社会で生かしてほしいと願っています。

(この記事は2015年11月発行『私立高校進学なび No.2』に掲載しました。)

女子美術大学付属高等学校  

〒166-8538 東京都杉並区和田1-49-8
TEL:03-5340-4541

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進学なび2015年 No.2
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