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私立高校 進学なび

2015 No.2

It's New ここが変わる!
東京成徳大学高等学校

文部両道を実践する新時間割
「45分授業」の学びの効果とは

タブレット端末も活躍する自然科学分野のCTP。理科だけでなく、さまざまな教科横断型の学びを実践しています。

タブレット端末も活躍する自然科学分野のCTP。理科だけでなく、さまざまな教科横断型の学びを実践しています。

1日の授業を6時間から7時間に
わずか5分の違いが生み出す充実

教務部長の石井英樹先生

教務部長の石井英樹先生

 同校の学習指導には、『文部両道』『自分を深める学習』『進学』という三つの柱となる理念があります。中でも『文武両道』ではなく『文部両道』とあるのは、生徒会活動も含めた運動部、文化・研究部など、あらゆる課外活動を、高校時代に打ち込むべき重要な活動であると位置づけているからです。

 そこで来年度より『文部両道』をさらに徹底するために、授業時間を5分短縮し、50分から45分にするという大改革を実施します。

 授業時間を変更する理由について、教務部長の石井英樹先生は解説します。

「本校では『自分を深める学習』を実施していますが、そのためには教科書にはない学びも必要となります。国公立大学をめざすとなれば、5教科7科目を網羅しなければならず、放課後には授業や補習・講習もあります。しかしそれでは、部活動に入る時間も一人ひとりまちまちで、集団競技などは集中して練習することもできません。本校のめざす『文部両道』は実現できないと考えたのです。
 そこで、1コマの授業を45分にすれば、1日の時間数を従来の6時間から7時間にすることができます。授業の終了時間は、従来よりも25分、後ろにずれますが、その分、時間を効率的に使うにはどうしたらいいかと考えて行動するようになるでしょう」

 授業を従来の50分から45分にすると、午前中に4コマ、午後に3コマという配分になります。授業終了時間は、従来の15時5分から、15時30分へと変更になります。

 その代わり、1年間の授業コマ数は約2割増加することになり、その分、多くの教科を学ぶことも可能になります。そして今まで放課後に実施していた演習や補習・講習はすべて、7時間目までの授業時間の中に収めます。

 基礎力をつける1、2年次では、より多くの授業数を確保して、文系・理系に関わらず幅広く深い学問に触れて、その中から自分に合った進路を選択してほしいと石井先生は言います。

「約2割増しの授業で、単に時間が増えるだけではなく、プラスアルファの取り組みができるはずですし、授業に向かう姿勢も変わるはずです。たった5分の時間短縮ですが、めざすのは、人間的なスキルを身につけるための授業改革なのです」

真理を追究する探究心、洞察力、創造力を養うCTP

短編映画に字幕をつけるCTP。英語が苦手な生徒も、英語を学ぶのが楽しくなりました。

短編映画に字幕をつけるCTP。英語が苦手な生徒も、英語を学ぶのが楽しくなりました。

 45分授業に先駆けて、2014年度より、特別進学コースの中に、『Sクラス』が新設されました。このクラスは最難関国公立大学を志望する生徒をサポートし、さらにその先の将来、社会でリーダーシップを取れる人材を育てることを目的としています。

 『Sクラス』の「S」は、『Scholarly Strategical Supreme』を意味し、具体的には「真理を追究する探究心や洞察力および創造力」「他者との意見交換や協力をもとに、物事を成し遂げるコミュニケーション能力」「多方面においてグローバル化が加速する中で、不可欠な認識力や行動力」を育てます。

 すでに取り組みが始まっているのは、CTP(Critical Thinking Program)の授業です。

「クリティカルというと、『批判的な』と訳されることが多いのですが、本校の授業で実践するのは、物事の真理を多角的な視点から検証し、従来の考えに捉われない思考力をつける授業です。Sクラスの1、2年次では、自然科学分野、語学分野、歴史的・社会科学的分野についてのCTPを実践しています」

 例えば語学分野では、日本で和訳されていない短編映画に字幕をつけるプログラムがあります。映画のセリフには、辞書にも載っていない言葉や言い回しもありますが、さまざまな方法で調べ、物語の流れから推測し、読みやすい長さに文章を整えるという作業を行って、約3カ月かけて完成しました。

 また、自然科学の分野では、物質の性質を調べる実験が行われました。食塩、砂糖、石英という、見た目は同じの3つの物質をビーカーに混ぜ、再び別々にして取り出すにはどうしたらいいかという実験です。

「生徒は実験方法から考えますが、正解はひとつではありません。自分たちで考え、実行して結果を出し、終了後には、なぜ失敗・成功したのかをフィードバックします。
 CTPの目的は、グループワークで学び合いながら、知識や考えを広げることです」

 提示された疑問や問題について、調べる方法から考えるCTPは、生徒にとって「謎の多い授業」と認識され、興味・関心をかきたてています。このプログラムに触発されて、数学研究同好会のような研究グループも発足しました。

 同校の授業改革の成果に注目です。

(この記事は2015年11月発行『私立高校進学なび No.2』に掲載しました。)

進学なび2015年 No.2
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