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私立高校 進学なび

2015 No.2

独自の教育プログラム
埼玉平成高等学校

「言葉に強い生徒を育てます」

「言葉力向上」授業の一コマ

「言葉力向上」授業の一コマ

2020年の新大学入試で求められるのは
思考力・判断力・表現力、つまり『言葉の力』

「本校が現在、教育目標にしているキャッチフレーズ、それは『言葉に強い生徒を育てます』。つまり高度な国語力・言語能力を有する人材を育成していく、ということです」

 開口一番、こうアピールされた同校の校長代行・蕪木豊先生(埼玉平成中学校長)

 この目標は2011年に打ち出されました。しかしなぜ、『言葉に強い』なのでしょう。

「文部科学省が主体となり、2020年に大学入試の大改革が予定されています。その方針を分析すると、重視されているのは思考力・判断力・表現力です。この能力の育成には全て『言葉』が入っています。言語能力を高めれば、国語はもちろん、長文の読解力が求められる社会科や理科、論理能力が不可欠な数学にも対応しやすくなります。また英語でも、より適切な日本語訳が行えます。このように基礎学力の最も“核”となるのは言語能力です」

 同校は他に先駆け『言葉』に着眼し、関連の取り組みを実践してきました。  

 蕪木先生は言語能力の育成により「思考力が高まり、脳の発達が促される」「コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力が高まる」というメリットをあげています。

「日本語を学ぶことは、日本人としての“心根”を育むことにつながります。日本語は優しさや細やかな心情を表現できる優れた言語であり、豊かな感性を培ってくれます。言葉の乱れという懸念が浮上して久しいですが、今こそ真剣に、日本語教育の充実を図るべきだと私は考えます」

意欲を高めるため
最初のハードルは“低く”

航空業界初の女性取締役、山内純子氏による講演。

航空業界初の女性取締役、山内純子氏による講演。

 そこで同校が言語能力を高めるために『日本語検定』を選択しました。これは漢字力だけでなく、表記・言葉の意味・語彙・文法・敬語の分野で構成された総合的に“日本語力”をチェックする検定試験。文科省をはじめ、多くの教育関連組織の後援を受け実施されているテストです。

「この検定に本校の生徒全員を挑戦させる、というカリキュラムを導入しました。
 検定試験は合格しなければ意味がありません。最初のハードルは低い方がいいのです。たとえ低い級であっても合格することで自信を持ち、次へチャレンジする意欲が湧いてきます。米国の心理学者、アブラハム・マズローがこんな至言を述べています。『どんな人間も、成長しよう、自分の持てる力を存分に発揮しよう、という動機づけを持った存在である』と。これは教育を行う上で最も基本的な考え方です。問題なのは、そうした意欲をいかにして引き出すかです。
 検定の本格実施から計6回受検した今年の卒業生たちは、2級4名、準2級7名、3級106名、準3級85名。全生徒の約75%が高校レベル以上の級を取得。結果として、見事に成果を上げています。
 当然級が上がるごとに、問題は難解になっていきます。そこで本校は、正規のカリキュラムに週1時間、「ことばの時間」を設け、検定対策授業を組み込むなど、受検へのサポート体制を充実させました。
 また日本語検定への意識を高めるため、年に1~2回、関連の講演会を開催してきました。講師はNHKの元アナウンサー、大学教授、ラジオの元パーソナリティー、元キャビンアテンダント。全て、言葉やコミュニケーション分野のスペシャリストたちです」

理想的なリーダーを育て世に送り出したい

「マズローの言うように、『どんな生徒も向上心を持っている』はずです。教育の営みはそこから出発すると考えます。そこで本校では一握りの優秀な生徒だけを、進学実績を上げるために、あたかも“クレーンで引き上げる”ような教育ではなく、生徒一人一人の学力の向上を目指し、全生徒を“フォークリフトに乗せて持ち上げる”教育を志向しています。その“フォークリフト”の役割を担うのが日本語検定です。
 また同時に加速するグローバル化に備え、2012年度からは日本語検定に併せて、英語検定も全員が受検する取り組みを始めました。日々の指導の中で『ことばの時間』を設け、目標級別に分かれた受験対策講座を実施し、全員合格を実現するためのサポート体制を整えています。
 高度な言語能力を有する人間は、社会進出後、どんな分野に進んでも周囲から注目され、信頼される存在となります。また自身が発した言葉には『責任』がともない、おのずと自らの言動を律する姿勢が定着するのです。高い言葉の力を持ち、節度ある言動を実践できる人。それが『リーダー』の在るべき姿です。本校は生徒一人一人の二十年後、三十年後を見据え、どんな職場にあっても『リーダー』として活躍できる人物を育てていきたいと考えています」

(この記事は2015年11月発行『私立高校進学なび No.2』に掲載しました。)

進学なび2015年 No.2
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