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進学通信

2026年7月

TOPIC
中学校が復活! 神戸野田が目指す、未来の学校づくり

公開日2026/8/31

「2027年度、神戸野田が中学校を創設!」
そんなニュースが、教育界を駆けめぐりました。
しかし厳密には「創設」ではなく57年の年月を経て、まさに満を持した中学校「復活」なのです。
そのねらいと、今だからこそ目指す教育について、加藤雅丈理事長にお話をうかがいました。

加藤 雅丈 理事長

加藤 雅丈 理事長

 この少子化時代に、新しく学校を創る。それは、挑戦的な判断に思われるかもしれません。しかし、加藤雅丈理事長の言葉からは、これが長年にわたる構想と宿願の結晶であることが見えてきます。
「実はかなり前から中学校再開の構想自体はあり、そのチャンスを待っていたのです」

 かつては中学校を設置していたものの、時代背景もあって高校のみへと体制変更した経緯があります。なぜここに来て、中学校を復活させるのでしょうか。その問いに加藤理事長は即答します。
「本校が目指す教育の実現には、高校3年間は少し時間が短すぎます。やはり中高6カ年一貫の教育課程が欠かせません」

 同校では、今から約10年前の平成30年に、大幅に「教育論」(教育体系)の刷新を実施。時代を見すえて、いわゆる”学力伸長”ばかりに主軸が置かれた従来の教育観を見直そうとしたのです。
 そこで目指すべき教育として言語化されたのが「豊かな心と時代を生きる力を身につけた青年の育成」です。これらを少しでも完全な形で実現しようとしたとき、6カ年一貫で教育を行うことが必要でした。つまり、中学3年間でその土台を耕し、高校3年間で開花へと導く計画と言えます。

   ところが、いざ中学校再開を目指すも、学校設置の条件で、グラウンドの面積が基準値を満たしていないことが判明。自治体とも何度も交渉を重ねましたが、不本意ながら長らく断念を余儀なくされてきました。

 しかし、ついに転機が訪れました。隣接地の活用が可能になり、中学校新設の条件が整ったのです。長い制度の壁との戦いでした。
 こうして再び産声を上げる新生・神戸野田中学校。打ち出す理念は「育心・自立・創造」です。特に“育心”は独自に生み出された言葉で、強い思いが込められています。
「勉強ができるだけではダメで、人間として成長できる学校でなければいけません。それを言葉にしようと思ったとき、人の優しさや、何かに感動する心など、人間性を広く捉えた造語として“育心”が生まれたのです」
 そして、学びの核となるのが、「確かな学力」「非認知能力の育成」、そしてそれらを支える「ハード面」の整備。魅力的な施策が目白押しとなっています。

 一方で、求める生徒像を問うと加藤理事長はこう答えられました。
「現時点で何ができるかという能力ではなく『こんなことをやってみたい』という生徒の意欲に期待したいですね。学校生活を精いっぱい楽しみたいという子を歓迎します。『楽しいから学校に行く』――極論すれば、そこに学校の魅力のすべてが凝縮されると思っているのです」
 主体性とは、義務感ではなく内発的な動機から生まれるものであり、教育内容やカリキュラムは、それらを引き出すためのものだという考えだと言えるでしょう。

 同校は、2 0 2 6 年で創立100周年を迎えます。中学校の復活は、次の100年を創る記念すべき出発点でもあるのです。
 それはまさに同校の教育の再定義であり、新たな歴史の幕開けそのもの。すでに地域からも、高い期待を寄せる声が多く届いているそうです。

●「確かな学力」の育成●

授業→放課後→家庭の学習サイクルで理解を定着させる。
授業では週2回の7限授業や習熟度別クラス編成を敷き、放課後には『プレミアム個別』『グローバル講座』『ハイレベル講座』などの特別講座を開講。
さらに家庭学習においては、AI教材やゲーミフィケーション学習(ゲーム的に楽しめる要素を取り入れた仕組み)を用いたアダプティブラーニングを導入する。


●「非認知能力の育成」●

新生・神戸野田中学校の学びの中核を担うのが『未来Lab(あすラボ)』と呼ばれる体験型探究プログラムだ。
企業や大学と連携しつつ、主体性・協働性・創造性など、一般学力では測れない非認知能力を伸ばす教育を展開し、その数値化を行う評価ツールも導入。サバイバルキャンプ・株式売買体験・地球環境の探究など、ユニークな取り組みにも注目したい。
特筆すべきは、金曜日を丸ごと『未来Lab』に充てる大胆なカリキュラム設計。従来の枠組みを超えた挑戦であり、同校の本気度が強くうかがえる。


●「ハード面」の整備●

開校の条件となっていたグラウンドの拡張はもちろんのこと、校舎内も各所でリニューアルする。
通常教室は、スクールカラーである青のあしらいがさわやかで心地よい、気持ちよく学べる空間に。
図書室は、カフェを思わせる洗練された空間となり、グループ探究活動が実施しやすいラーニングコモンズとしての機能も備えている。