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ハワイ大学×明海大学の最先端講義に挑戦!
高2生が挑む「オールイングリッシュ」の観光経営学

富士見丘高等学校

〒151-0073
東京都渋谷区笹塚3-19-9

TEL:03-3376-1481

学校情報 学校HP

 富士見丘高等学校は、明海大学およびハワイ大学との高大連携プログラムとして、2日間の『Destination Management(観光地経営・管理)集中講義』を実施。履修者は、『グローバルスタディ演習』で「海洋と地域経済」を研究テーマとする高2生17名です。8月3日・4日の2日間、明海大学を訪問し、ハワイ大学カピオラニカレッジおよび明海大学ホスピタリティ・ツーリズム学部の神末武彦教授による直接指導を受けました。

 生徒たちに与えられたミッションは、「グアムの観光業において、経済的機会を創出しながら地域文化を保全し、環境保護とコミュニティの福祉を向上させるにはどうすればよいか?」という高度な課題です。1日目は、全て英語で行われる講義『Review of Tourism Impact + Overview of Guam Tourism(観光による影響の評価とグアム観光の概要)』を受講。その後、3〜4名のチームに分かれて白熱したディスカッションを行いました。この成果は、2日目に英語でのプレゼンテーションとして発表されます。

文科省「WWL」拠点校としての集大成!
学びは教室から世界へ
来年1月にはグアムでのフィールドワークへ挑戦

 富士見丘高等学校は、文部科学省から2015年より5年間「SGH(スーパーグローバルハイスクール)」の指定を受け、現在はその取り組みを継続する「SGHネットワーク校」として認定されています。さらに2020年には、高大・企業が連携してグローバル人材を育成する「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム」のカリキュラム開発拠点校にも指定されました。今回生徒たちが挑戦している『グローバルスタディ演習』は、こうした先進的なカリキュラムの集大成となる、高2の希望者を対象とする高大連携プロジェクトです。

 生徒たちは関心のある国やテーマを選び、グループワークを通じて課題解決策を模索。そして、学びの舞台は教室から現地へと移ります。今回の講義でグアムの観光経営について深く議論を交わした生徒たちは、来年1月、いよいよ現地グアムでのフィールドワークに挑みます。『グローバルスタディ演習』の『海洋と地域経済(グアム・フィールドワーク)』コースを選んだ生徒たちは、1年間をかけて本格的なプログラムに挑んでいます。

  • 4月〜(事前学習):神末先生による『Destination Management』の講義をスタート
  • 8月(大学訪問):明海大学を訪問し、2日間の集中講義とチーム議論に挑戦(※今回の取り組み)
  • 2027年1月(グアム現地調査):グアムでフィールドワークを行い、現地の学校で探究成果を英語プレゼン!
  • 2月(集大成):『WWL課題研究発表会』で成果を発表、優秀グループを選出

 この1年間のカリキュラムを履修した生徒には、明海大学ホスピタリティ・ツーリズム学部の単位が認定されます。

ホスピタリティの原点『忠恕の心』を養ってほしい
異なる個性の生徒たちが
コースを越えて協働する探究の意義

富士見丘高等学校副校長で明海大学ホスピタリティ・ツーリズム学部教授・法学博士の吉田成利先生

 本校には、帰国生をはじめ英語が堪能な生徒、スポーツが得意な生徒など、実に多様なバックグラウンドをもつ生徒たちが集まっています。私たち教員が何よりも大切にしているのは、生徒たちに「同じ目標に向けて協働することの素晴らしさ」を伝えること。それぞれ異なる個性や得意分野をもった生徒たちが、お互いを尊重し、心をひとつにして新しい何かを生み出した時、そこには大きな達成感や感動が生まれます。こうした私たちの強い思いをカタチにしたプロジェクトこそが、この『グローバルスタディ演習』です。『グローバルコース(一般)』と『アドバンストコース(英語特進)』があり、高校から入学した生徒と、中学校からの内部進学生がともに学んでいます。この演習では、そうしたコースやクラスの枠を完全に越えてチームを結成。生徒たちは互いに切磋琢磨しながら、自分たちの興味・関心のある分野の探究活動に全力で力を注いでいます。

 この『グローバルスタディ演習』は、2015年の「SGH」指定とともに産声を上げました。2020年に「WWL」拠点校となってからは、その内容をさらに発展させ、本校の看板プログラムへと進化を続けています。本プロジェクトの大きな特徴は、世界を舞台にしたリアルな探究です。昨年はグアム(テーマ:海洋と地域経済)、マレーシア(テーマ:環境とライフスタイル)、台湾(テーマ:災害と都市生活)の3拠点で実施され、今年はグアムとマレーシアへのフィールドワークを予定しています。

 なかでもグアムのテーマである『海洋と地域経済』を深く掘り下げるために、欠かせないのが「観光のマネジメント(経営)」です。だからこそ、このテーマを選んだ生徒たちは、これまで『Destination Management』の講義を熱心に受け続けてきました。指導にあたるのは、ハワイ大学と明海大学で教鞭を執る神末先生をはじめとする観光のスペシャリストたち。生徒の自主性を何よりも尊重しながら、最先端の知見を授けてくれています。

 これからの観光産業に求められるのは、単に旅行者を楽しませるだけでなく、地域の人々も心地よく、経済的に豊かに暮らせる環境づくりです。その基盤となるものこそ、相手を思いやるホスピタリティ━━すなわち、本校が大切にする「おもてなしの心(忠恕の心)」にほかなりません。

 本校は教育目標として、『忠恕(ちゅうじょ)の心を持つ、国際性豊かな若き淑女の育成』を掲げています。『忠』とは真心を尽くすこと、『恕』とは相手の立場を思いやること。この『忠恕の心』は、まさにホスピタリティ・ツーリズムの精神と深くリンクしています。生徒たちには、グアムフィールドワークに向けた『グローバルスタディ演習』を通じて、この大切な心を肌で感じ、養ってほしいと考えています。

 英語でのプレゼンテーションや海外でのフィールドワークという大舞台において、ときには失敗することもあるでしょう。しかし、失敗を恐れる必要はまったくありません。何度も失敗を重ね、それを乗り越えた先にある成功体験こそが、生徒たちの心にいつまでも残り続ける一生の財産になるからです。この『グローバルスタディ演習』を通じて、「将来どんな職業に就きたいか」という選択肢だけでなく、「自分はグローバル社会にどのように貢献したいのか」を、より具体的かつ主体的に考えられる人へと成長してほしいと願っています。

かつての「3時間で行けるアメリカ」をどう再生するか
世界的なリゾート競争から学ぶ、観光経営のリアルな課題

ハワイ大学カピオラニカレッジ/明海大学ホスピタリティ・ツーリズム学部の神末武彦教授

 2026年春から月に1回実施してきた『Destination Management(観光地経営・管理)』の講義を通じて、富士見丘の生徒たちは観光の基礎知識をしっかりと身につけてきました。2日間の集中講義の初日となる8月3日は、これまでに蓄積した知識をベースに、「環境や島民の暮らしを守りながら、グアムが再び人気観光地として再生するにはどうすればよいか」という実践的なテーマに向き合ってもらいました。

 かつてグアムは、「3時間で行けるアメリカ」というキャッチフレーズで多くの日本人観光客を魅了していました。しかし現在、その客足は減少傾向にあります。グアムには美しい海や豊かな自然がありますが、現在の日本の旅行者は、より手軽に行けるフィリピンや台湾、タイなどの海外リゾートを選ぶようになっているからです。

 さらに、強力なライバルとなっているのが「国内リゾート」です。例えば沖縄は、言葉の壁がなくパスポートも不要。渡航費用を抑えられるうえに、3時間かからずに到着できるため、多くの観光客が流れています。このような厳しい国際競争のなかで、グアム観光をどうリブランディングしていくか。生徒たちには、まさに世界が直面しているリアルな課題の解決策を導き出してほしいと考えています。

 私は生徒たちに“グアムの再生案”を考えてもらうにあたり、観光が社会に及ぼす“良い影響”と“悪い影響”の両面についても深く伝えました。観光は地域に経済的な豊かさをもたらす反面、環境や人々の暮らしに大きな負荷を与えてしまいます。近年世界中で問題になっている「オーバーツーリズム(観光公害)」はその最たる例です。

 このように、私はハワイ大学の学生に教えるのとまったく同レベルの講義を富士見丘の生徒たちに行ってきました。まだ高校2年生ということもあり、当初は少し難しいのではないかと考えていましたが、それは杞憂に終わりました。日頃の学校生活で英語の力が圧倒的に鍛えられているため、高度な講義内容をしっかりと理解し、私からの質問にも英語で堂々と答えてくれています。

 生徒たちには、観光がもつ無限の可能性だけでなく、その“負の側面”にも目を向けてもらいたい。この深い学びを通じて、将来彼女たちが世界的な課題に直面した時、自らの力で鮮やかな解決策を導き出せる頼もしい女性へと育ってくれることを、心から期待しています。

生徒Voice1

修学旅行での「気づき」からオーバーツーリズムの解決へ!
英検2級の力を糧に挑む、臨場感あふれる対面講義

O.Yさん(高2)
・アドバンストコース

 私がこの『グローバルスタディ演習』を選んだきっかけは、中3で訪れた京都・奈良への修学旅行でした。現地で観光客のあまりの多さに圧倒され、「オーバーツーリズム(観光公害)をどうすれば解消できるのだろう?」と、観光のあり方について深く考えるようになったからです。また、大好きな英語力をさらに伸ばしたいと考え、高1で英検2級に合格したことを自信に、この演習への参加を決めました。

 今日の神末先生の集中講義では、ときおり難しい専門用語も飛び出しましたが、必死にメモを取りながら内容の理解に努めました。その甲斐あって、観光が経済や人々の暮らしとどのように結びついているのかを、深く学ぶことができました。これまではオンラインでの受講が多かった神末先生の講義ですが、今回初めてキャンパスを訪れ、対面で直接教えていただけました。画面越しとは違って圧倒的な臨場感があり、理解が一段と深まった気がします。「大学で学ぶこと」への期待も、いっそう大きく膨らむ素晴らしい2日間になりました。

 3人のチームで挑んだディスカッションでは、グアムの魅力を高める新たな施策を練り上げました。私たちはまず、同じ南国リゾートであるハワイとの比較からスタート。ハワイがアニメ映画のヒットによって認知度を高めた成功事例に着目しました。そこから着想を得て、「グアムの神話に登場する人物をシンボルキャラクターにする」という、グアム独自の魅力を発信するためのプロモーション案をまとめました。

 この演習は、私の人間関係の価値観も大きく変えてくれました。以前の私は、気の合う人とは深く付き合うものの、そうでない人とは距離を置くという「100対0」の付き合い方をしていました。しかし、チームでひとつの目標に向かって突き進むなかで、互いの強みを活かし合える仲間の存在に気づきました。自分のなかに新しい視野が広がり、協働の楽しさを知ることができたのは大きな財産です。

 将来、私は医療系の職種に進みたいと考えています。現代の医療現場では、さまざまな専門スタッフが連携するチーム医療が不可欠です。この演習で学んだチームワークの力を医療の現場で発揮し、多くの人たちの健康的な暮らしをサポートしていきたいです。

生徒Voice2

「海を守りたい」から始まった探究
データから紐解くグアムの現実

K.Hさん(高2)
・アドバンストコース

“グアムの美しい海を守りたい”という強い思いから、私は『海洋と地域経済』の探究テーマを選びました。高1の時に合格した英検2級の力をどこまで発揮できるか、自分の可能性を試してみたいと考えたことも、この演習に参加した動機のひとつです。これまで月1回の講義を重ねてきたため、今日の神末先生の授業内容はスムーズに頭に入ってきました。

 今回の講義で特に印象的だったのは、日本人観光客の減少を巡るリアルな背景です。航空便の座席数やコロナ禍の影響、さらには“円安”といった複合的な要因が重なっていることをデータから学びました。また、客足が遠のくことでホテルの修繕が追いつかなくなり、宿泊施設が老朽化していくという、観光地が直面する負のスパイラルを目の当たりにしました。この課題を解決するために、私たちはグアムに新しい価値をもたらすアプローチを考える必要性を強く実感しています。

 こうしたホテルの老朽化を打破する施策として、私たち4人のチームは古い宿泊施設を“巣ごもりホテル”へ生まれ変わらせるプランを考えました。これは、客室での滞在そのものを贅沢に楽しむ、新しいスタイルのホテルです。グアムの素晴らしいオーシャンビューを活かしたリノベーションであれば、全施設の建て替えに比べて圧倒的に低コストで実現できます。私たちは、これがグアムの観光に新たな価値をもたらす起爆剤になると考えています。チームの意見は一つにまとまりました。明日のプレゼンテーションでは、聴いているみんなの心にしっかりと響く発表をめざします。

 この演習を始めてから、自分の英語力にこれまで以上の自信がつきました。また、以前は“観光の課題=オーバーツーリズム”という画一的なイメージしかもっていませんでしたが、複合的な視点からアプローチすることで、観光産業のリアルな課題の多さに気づくことができました。自分の視野を大きく広げてくれたこの経験は、私にとって大きな財産です。

 将来の夢はまだ具体的には決まっていません。しかし、今回の探究のように、一つの物事をどこまでも深く追求し、自分たちの力で答えを導き出す楽しさを活かせる仕事に出会いたいと考えています。

千葉県浦安市にある明海大学の図書館で行われた集中講義の様子
副校長の吉田先生も英語で講義に参加
ディスカッションをするK.Hさん(写真右)のチーム
意見を交わし合う、O.Yさんのチーム
チームの一人ひとりに寄り添い、アドバイスをする神末先生

学校情報

女子校
富士見丘高等学校

〒151-0073
東京都渋谷区笹塚3-19-9

TEL:03-3376-1481

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