本校には、帰国生をはじめ英語が堪能な生徒、スポーツが得意な生徒など、実に多様なバックグラウンドをもつ生徒たちが集まっています。私たち教員が何よりも大切にしているのは、生徒たちに「同じ目標に向けて協働することの素晴らしさ」を伝えること。それぞれ異なる個性や得意分野をもった生徒たちが、お互いを尊重し、心をひとつにして新しい何かを生み出した時、そこには大きな達成感や感動が生まれます。こうした私たちの強い思いをカタチにしたプロジェクトこそが、この『グローバルスタディ演習』です。『グローバルコース(一般)』と『アドバンストコース(英語特進)』があり、高校から入学した生徒と、中学校からの内部進学生がともに学んでいます。この演習では、そうしたコースやクラスの枠を完全に越えてチームを結成。生徒たちは互いに切磋琢磨しながら、自分たちの興味・関心のある分野の探究活動に全力で力を注いでいます。
この『グローバルスタディ演習』は、2015年の「SGH」指定とともに産声を上げました。2020年に「WWL」拠点校となってからは、その内容をさらに発展させ、本校の看板プログラムへと進化を続けています。本プロジェクトの大きな特徴は、世界を舞台にしたリアルな探究です。昨年はグアム(テーマ:海洋と地域経済)、マレーシア(テーマ:環境とライフスタイル)、台湾(テーマ:災害と都市生活)の3拠点で実施され、今年はグアムとマレーシアへのフィールドワークを予定しています。
なかでもグアムのテーマである『海洋と地域経済』を深く掘り下げるために、欠かせないのが「観光のマネジメント(経営)」です。だからこそ、このテーマを選んだ生徒たちは、これまで『Destination Management』の講義を熱心に受け続けてきました。指導にあたるのは、ハワイ大学と明海大学で教鞭を執る神末先生をはじめとする観光のスペシャリストたち。生徒の自主性を何よりも尊重しながら、最先端の知見を授けてくれています。
これからの観光産業に求められるのは、単に旅行者を楽しませるだけでなく、地域の人々も心地よく、経済的に豊かに暮らせる環境づくりです。その基盤となるものこそ、相手を思いやるホスピタリティ━━すなわち、本校が大切にする「おもてなしの心(忠恕の心)」にほかなりません。
本校は教育目標として、『忠恕(ちゅうじょ)の心を持つ、国際性豊かな若き淑女の育成』を掲げています。『忠』とは真心を尽くすこと、『恕』とは相手の立場を思いやること。この『忠恕の心』は、まさにホスピタリティ・ツーリズムの精神と深くリンクしています。生徒たちには、グアムフィールドワークに向けた『グローバルスタディ演習』を通じて、この大切な心を肌で感じ、養ってほしいと考えています。
英語でのプレゼンテーションや海外でのフィールドワークという大舞台において、ときには失敗することもあるでしょう。しかし、失敗を恐れる必要はまったくありません。何度も失敗を重ね、それを乗り越えた先にある成功体験こそが、生徒たちの心にいつまでも残り続ける一生の財産になるからです。この『グローバルスタディ演習』を通じて、「将来どんな職業に就きたいか」という選択肢だけでなく、「自分はグローバル社会にどのように貢献したいのか」を、より具体的かつ主体的に考えられる人へと成長してほしいと願っています。