東洋大学の附属校としてのメリットを活かしつつ、他大学受験にも強い進学校として人気を集めている東洋大学京北高等学校。近年は国公立大学や私立難関大学への合格実績も急伸中。2フロアにわたる図書室やカフェテリアをはじめ、充実した設備を誇る美しい校舎も一見の価値があります。そんな同校の学校説明会をレポートします。
東洋大学の附属校としてのメリットを活かしつつ、他大学受験にも強い進学校として人気を集めている東洋大学京北高等学校。近年は国公立大学や私立難関大学への合格実績も急伸中。2フロアにわたる図書室やカフェテリアをはじめ、充実した設備を誇る美しい校舎も一見の価値があります。そんな同校の学校説明会をレポートします。
学校説明会は14時30分にスタート。“完全予約制”のこのイベントは、毎回約450組・980名前後の定員がすぐに埋まるほどの人気ぶりです。14時からの入場開始に合わせ、受付や誘導を全て担当するのは「スクールナビゲーター(通称:スクナビ)」の生徒たち。先生方はサポート役に徹しています。
“スクナビ”は、全校生徒約900人のうち、高校1・2年生を中心に毎年60〜70名が参加する有志団体です(※受験を控えた高3生も約10名が在籍)。彼らの活動は案内係にとどまりません。説明会でのプレゼンテーション、配付資料や紹介動画の作成、公式サイトでの「スクナビブログ」の運営など、多岐にわたる役割を主体的にこなしています。
スクナビ2名の司会で進行する説明会は、星野純一郎校長のお話から始まりました。語られたのは、建学の精神「諸学の基礎は哲学にあり」の本質です。
「一般的に哲学は“難解な人名が出てくる難しいもの”と捉えられがちですが、本校の定義は異なります。ネット上のフェイクニュースなど、情報が氾濫する現代において、『本当にそうなのか』と自ら問いを立て、周囲と議論を交わしながら新たな価値を発見する。それこそが本校で培う“哲学の力”です」と、校長先生は力強く語りました。
次に校長先生が語ったのは、同校の教育目的である「本当の教養を身につけた国際人の育成」についてです。ここでいう“本当の教養”とは、単なる知識ではなく、「お互いの違いを認めながら、自分の意見をしっかりと述べられる素養」を指します。話題はさらに、同校が大切にする教育上の心がけへと移ります。
「正礼し正聴し尽瘁すれば不可無く良生なり」。これは、「礼を尽くして人の話を傾聴し、物事に一生懸命取り組めば、不可能と思っていたことも可能になる」という意味です。校長先生は、『この心がけや哲学教育を地で行くのが、本校のスクナビたちです』と力を込めます。「この後のフリー校内見学でも、施設各所に多くのスクナビがいます。どんな些細なことでもかまいませんので、ぜひ声をかけてみてください」と受験生や保護者へ呼びかけました。スクナビに対する、学校側の強い期待と自信が深く伝わるシーンです。
受付や誘導もスクナビの生徒たちが担当
続いて、広報部長の井出秀己先生より大学進学に関する方針が示されました。同校では「附属校のメリットを基盤に難関大学に挑む」を基本方針に掲げており、東洋大学への内部進学は例年卒業生の3割程度。残る多数の生徒が他大学へと挑戦しています。東洋大学への内部進学枠にはゆとりがあり、出願基準となる評定平均などの条件も、他校から推薦入試でめざす場合と比べて有利な点が特長です。
一方で、進路選択には明確な一線を引いています。井出先生は、「内部進学の権利を保持したまま他大学を受験することはできません。高校3年の9月に、内部進学するか、それをやめて他大学受験するかを決めていただきます」と、メリハリある受験体制を説明しました。
井出先生からは、具体的な学校生活や教育方針についてのお話もありました。
井出先生が他大学受験に向けた学習指導について説明。夏期講習や冬期講習は授業料に含まれ無料。ここで先生方の説明はいったん終了。ここからは、8人のスクナビの生徒たちによるプレゼンテーションへと移ります。まず、最初のテーマは受験生も気になる「定期考査とクラス編成」についてです。
「定期考査は1日3科目×4日間とかなりハードなので、一夜漬けでは太刀打ちできません。クラス編成は、難関大学をめざす『難関進学クラス』と、東洋大学への内部進学やGMARCHのほか中堅大学をめざす『進学クラス』に分かれています。『難関進学クラス』は学習習慣が身についている生徒が集まるため、クラス全体に『勉強するのが当たり前』という高いモチベーションがあります。
一方の『進学クラス』は、部活動やKSST(※)などに全力で取り組みたい人が多く集まるのが特徴です。もちろんクラスが違っても、体育祭などの行事をきっかけに仲良くなり、昼休みに一緒に遊ぶことも珍しくありません」(スクナビ生)
※KSST……同校の理数教育プログラムで、大学の研究室訪問などを実施しています(希望制)。
続いてのテーマは、同校が力を入れる「国際教育」についてです。まず紹介されたのは、希望制の「オレゴンサマープログラム」。アメリカ西海岸のオレゴン州で約2週間ホームステイを行うプログラムで、事前に現地の文化や心がけを学んでから出発します。
「現地の高校では、授業ばかりではなくフルーツバスケットなどのアクティビティを体験しました。ホストファミリーやその友人との交流も楽しかったです。お別れのパーティーでは、僕たちが食材を準備して和食を振る舞いました!」(スクナビ生)
次に紹介されたのは、こちらも希望制の「オランダプログラム」です。ライデン大学で現地の大学生と交流するほか、べルギーにあるEU本部を訪問する貴重な機会もあります。
「僕は『2050年問題(地球環境の限界)』について英語でプレゼンテーションし、自分の意見がしっかり伝わったことが大きな自信になりました。EU本部で外交官の方と会話したことも忘れられない経験です。現地の高校生とは、サッカーやカードゲームを通じてすぐに仲良くなれました」(スクナビ生)
スクナビのプレゼンが終了すると、会場の外に待機していたサッカー部員約30名が入場!パフォーマンスを含めたサッカー部の紹介で会場は大いに盛り上がります。続いて、全ての部活動を網羅した紹介動画が上映されました。テニス部やバスケットボール部などの運動部は、週3〜4回とメリハリをつけて活動。多くの部活動が都大会や関東大会への出場をめざして汗を流しています。もちろん文化部も充実しており、吹奏楽部や美術部をはじめ、英語部、家庭科部、茶道部、文芸部などがそれぞれの魅力をしっかりとアピールしていました。
スクナビの生徒によるプレゼンテーションのひとコマ
部活動紹介では、サッカー部が大活躍!
説明会の締めくくりには、再び広報部長の井出先生が登壇し、入試要項についての詳しい解説がありました。同校の入試スケジュールは、1月に推薦入試(1回)、2月に一般入試(2回)が実施されます。
「推薦入試は『単願推薦』のみで、併願推薦はありません。ただし、2月の一般入試では『併願優遇』の制度を設けています」(井出先生)
単願推薦・併願優遇ともに、出願に必要な内申点の基準や各種条件は、毎回の説明会で具体的に提示されます。そのため、受験を検討している方は実際に足を運んで確認するのが確実です。また、併願優遇を利用しない、いわゆる“フリー受験”の一般入試で合格している受験生も多数を占めているとのこと。実力次第でしっかりと合格を勝ち取れるのも魅力です。
入試要項の説明に続き、質疑応答が行われました。会場のスクリーンに投影されたQRコードから参加者がスマートフォンで質問を送信するシステムを採用。井出先生が手元の端末で受信し、優先度の高い質問から効率的に回答していきました。従来の挙手やマイク回しの手間を省いた、非常にスピーディーで現代的な試みです。
質疑応答終了後は「フリー校内見学」へと移行し、参加者は自由に校舎を巡りました。一方、会場にそのまま残ったのは、生徒の案内による「スクナビ見学ツアー」への参加を予約したグループです。
会場の退出を見届けると、いよいよ「スクナビ見学ツアー」が幕を開けます。一般的な校内見学ツアーの多くは、十数名の参加者に対して生徒が数名付くスタイルですが、同校では3対3、あるいは1対2という極めて濃密な少人数編成を採用しています。この距離の近さが、形式的な案内に留まらない、活きたコミュニケーションを生み出す鍵となっています。ここからは、スクナビのMさんがひと組の受験生・保護者をナビゲートするツアーに同行し、その魅力に迫ります。
地下の説明会会場をあとにすると、Mさんは「どちらからいらっしゃったのですか?」と自然に会話を切り出します。最初に訪れたのは昇降口付近の制服紹介コーナーで、来年度より導入予定のポロシャツが話題に上りました。次に向かった「自習室1・2」では、Mさんから「人気のため早い者勝ち」という日常の活気が紹介されます。
その後、教室や出入り自由の中庭、書道室などを順に巡りました。保護者側から「東洋大学京北を選んだ理由」についての問いかけがあるなど、昨今の高校入試事情を交えた有意義な意見交換が行われ、少人数ツアーならではの親密なコミュニケーションが体現できました。
ツアーのなかで、Mさんが特に熱を込めて案内してくれたのがカフェテリアです。毎日のランチはもちろん、おいしいお弁当のテイクアウトも大人気。さらに、放課後などに楽しめるスイーツまで販売されていると聞き、受験生の目も輝きます。
続いて美術室を見学し、最後に訪れたのは、同校のシンボルでもある図書室です。ドアを開けると、2フロアを吹き抜けの高い天井と、自然光が差し込む大きなガラス窓が広がります。校庭を一望できるその開放感は、まさに圧巻の一言。この特別な空間で見学ツアーはゴールを迎えました。
最初は緊張していた3人でしたが、最後はすっかり親しい雰囲気に。受験生・保護者にとって、学校生活のイメージが膨らむ最高の時間となったようです。
会場の誘導や司会、プレゼンを担当したスクナビの皆さん。
制服紹介コーナーでは、導入予定のポロシャツが話題に。
ガラス張りの自習室は自然光が入り、落ち着いた空間
自習室の前にある、大学生チューターを紹介するボード。東京大学の学生のほか、東洋大学京北の卒業生もいます。
生徒の憩いの場でもある中庭で、参加者との会話も弾みます。
予約制の見学ツアーではなく、フリー見学の保護者・受験生への対応にあたったスクナビの皆さん。
説明会で存在感を放っていたスクナビの生徒たち。今回は、見学ツアーをナビゲートしてくれたMさんとAさんの2人に話を聞きました。
Mさん(高2)
Mさん自身の受験生時代、説明会で生徒が主体となって校内を案内する姿に感銘を受け、『自分もあのようなかっこいい高校生になりたい』と考えたことがきっかけです。
Aさん中学からの内部進学生として、6年間を過ごす学校に貢献したいと考えたからです。中学時代は躊躇してしまいましたが、高校では一歩踏み出し、活動を通じて学校の内部事情にもより深く触れてみたいという思いから立候補しました。
Mさん素晴らしい動機ですね。そこまで深い視点をもっていなかったので、改めて感服しました。
Mさん僕たち生徒の準備は、だいたい1〜2週間前からスタートします。本番に向けて、リハーサルも2~3回はしっかりと行います。
Aさん実は、もっと前からの準備もあるんです。皆さんの当日の移動ルート(導線)などは、前年の反省点を活かしながら、毎年4月頃から計画を練り直しています。
Aさん(高2)
Aさん私は主に、学校公式サイト『スクナビブログ』の執筆を担当しています。そのブログがきっかけで説明会に足を運んでくださる方に出会えると、本当にうれしいです。あとは、活動のなかで周囲を引っ張るリーダーシップを発揮できた時にも、自分の成長とやりがいを感じます。
Mさん僕は主にステージでのプレゼンテーションを担当しています。どうすれば受験生の興味を引けるか考え抜き、プレゼンの見せ方を工夫した結果、本番で出席者の皆さんにドッとウケた時は最高に気持ちいいです!
Mさん一言でいうなら『哲学教育』です!堅苦しいものではなく、とにかく体験が面白いんです。希望制の『哲学ラボ』では、「2050年問題」にアプローチするために企業を訪問したり、なんと特許取得にまで関わったりします。『便利=幸せなのか?』と自分自身に問いかけることで、視野がとても広がりました。同じく希望制の『哲学ゼミ』という少人数合宿では、福井の永平寺で坐禅を組みました。
AさんMさんの補足をすると、年度ごとにテーマを設定する『哲学ゼミ』では沖縄で“戦争と平和”を学ぶという年もあります。私のイチオシは、100人以上いる“先生方の多様さ”ですね。本を出している先生や、学会で活躍する先生など、バックグラウンドが本当にさまざまです。だからこそ、担任の先生以外にも仲の良い先生ができやすいですし、自分にぴったりの先生に必ず出会える環境だと思います!
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