例年、多くの卒業生が国公立大学や難関私立大学へ進学する開智高等学校。今回は2026年度入試で東京大学(理科一類・文科一類)に見事現役合格を果たした高等部卒の2名が登場。「自主性を尊重し、学び合う」という開智ならではの校風のもと、どのように過ごし、成長していったのか。受験の枠を超えた学校生活の魅力を余すところなく語ります。
例年、多くの卒業生が国公立大学や難関私立大学へ進学する開智高等学校。今回は2026年度入試で東京大学(理科一類・文科一類)に見事現役合格を果たした高等部卒の2名が登場。「自主性を尊重し、学び合う」という開智ならではの校風のもと、どのように過ごし、成長していったのか。受験の枠を超えた学校生活の魅力を余すところなく語ります。
大泉玖平さん大泉さん特待生として入学したため、最初は「ふさわしい結果を出さなければ」というプレッシャーがあり、かなり意識して勉強していました。当時は、勉強を「目標達成のため義務的に頑張るもの」と捉えていたんです。しかし、開智で過ごすうちに、勉強は特別なものではなく「するのが当たり前」の日常へと変わっていきました。周りの仲間が自然と机に向かう雰囲気があったからです。また、先生方から過ごし方を押し付けられることもなく、自分のペースで集中できる環境も私には最適でした。
最初は「駅から少し遠いな」と感じていた通学路も、今では良い思い出です。同じ方向へ帰る仲間と何気ない話をしながら歩いた時間は、かけがえのない青春でした。自習室で遅くまで残った日もスクールバスを利用できたので、安心して勉強に打ち込めました。
嵯峨良太郎さん嵯峨さん開智には「実は第一志望の学校ではなかった」という生徒も少なくありません。しかし、ここで3年間を過ごすうちに、そんな過去のことは全く気にならなくなります。それよりも「開智で何をするか」のほうが、ずっと大切だからです。
学校には本当にいろいろな個性をもった生徒がいますが、それぞれがお互いを尊重し合っているため、誰にでも自然と自分の居場所が見つかります。また、大泉さんと同じく、駅から学校まで歩く時間も印象に残っています。通学路はほとんど開智生しかいないので、友達と語らいながら歩く時間が毎日の楽しみでした。
夜遅くまで学校に残って切磋琢磨する生徒も多く、そうした日々の積み重ねこそが、開智ならではの心地よい空気感をつくっているのだと思います。
大泉さん入学当初から「高校生活の目標として挑戦してみたい」という気持ちはありましたが、現実的な目標として捉え始めたのは、高2の夏の模試で確かな手応えを感じてからです。また、開智での学びも東大志望を強く後押ししてくれました。特に印象深いのは「世界史」の授業です。それまでは単なる暗記科目だと思っていましたが、授業を通じて「過去から何を学び、どう解釈するか」という本質的な視点に触れました。知識を詰め込むだけでなく、教養として学ぶ面白さを知ったことで、勉強そのものが純粋に楽しくなっていったのです。
私には、小学3年生の時に職業調べで興味をもって以来、ずっと「裁判官になりたい」という夢がありました。一方で、成長するにつれて「法学だけでなく、もっと幅広い分野の教養も身につけたい」という思いも芽生えていました。その点、東京大学は入学後の前期課程でリベラルアーツ(一般教養)を幅広く学べるのが大きな魅力です。多様な分野を横断して学び、そのうえで法曹の道へ進みたいという私の希望に最も合致していたため、東大をめざす決意が確固たるものになりました。
嵯峨さん私が東京大学を意識し始めたのは、高2の5月頃です。もともとは東京科学大学を志望していて、「自分は理系に進むのだろうな」とぼんやり考えていました。しかし、受験に向けて「せっかく高い目標を掲げるのであれば、最高峰の東京大学をめざして挑戦してみたい」と思うようになったのです。あえて東大という大きな目標を設定したほうが、自分自身のモチベーションをより高く維持できると考え、思い切って志望校を変更しました。
嵯峨さん開智の一番の良さは、学校側に「東大へ行きなさい」という押し付けが一切ないことです。先生方が大切にしているのは進学実績ではなく、生徒一人ひとりの「自己実現」。だからこそ「学校の実績のために結果を出さなきゃ」というプレッシャーを感じることはありませんでした。
一方で、こちらから相談した時には本当に親身になって支えてくださいます。高3の1月、模試の判定が思うように伸びず精神的につらかった時期、担任の先生がじっくりと時間をかけて話を聞いて、不安な気持ちに寄り添ってくださいました。
開智は、卒業してからも先生方との距離が近い学校です。浪人した仲間への添削指導はもちろん、大学生になった私へのサポートも変わりません。実は今、大学に入ってから理系を続けるか、それとも文系へ進路変更(文転)するか少し迷っていて、近いうちにまた開智の先生に相談しようと思っているほどです。
また、開智では受験勉強が「苦しいもの」になりすぎない空気感があります。勉強だけに追われるのではなく、友達と笑い合う日常の延長線上に勉強があるイメージです。受験期だからと突然ストイックになるのではなく、3年間の高校生活のなかに勉強が自然と溶け込んでいました。勉強を通じて仲間との絆が強まり、最後まで孤独を感じずに受験を乗り越えられたことは、開智ならではの大きな魅力だと思います。
大泉さん私も嵯峨さんと全く同じ印象をもっています。先生方から「東大をめざしなさい」と言われたことは、一度もありませんでした。開智が掲げる「生徒の自主性を大切にする」という理念は、お題目ではなく、日々の学校生活のなかで確かに実践されていると感じます。
自分で目標を決め、自分の意思で努力する。その姿勢を先生方が尊重し、後ろから支えてくださる環境だったからこそ、最後まで前向きに受験勉強に取り組むことができました。また、個別サポートの熱量にも本当に驚かされました。私は当初、「世界史」と「地理」の2科目で受験する予定でしたが、高2の冬になって急きょ、「地理」から「日本史」への変更を決断したのです。その時点で、東大で日本史を受験する高等部の生徒は私一人だけでした。それでも先生は私一人のためだけに特別な講習を開いてくださったのです。たとえ生徒が一人の挑戦であっても、ここまで真剣に向き合い、全力で支えてくれる先生方がいる。だからこそ、何の不安もなく自分の高い目標へ向かって突き進むことができました。
嵯峨さん私は高1で生徒会、高2・高3では文化祭実行委員を務めました。特に文化祭実行委員は活動量が多くて忙しかったのですが、学校全体に「忙しいから勉強ができない」という言い訳をする空気は一切ありません。先輩方からも「文化祭は全力でやる、でも勉強も絶対に妥協しない」という文武両道の精神が自然と受け継がれており、活動後に学校に残って勉強したり、休日には実行委員の仲間と集まって自習したりしていました。
また、文化祭において生徒に裁量が与えられている点も、開智らしさだと思います。私たちの代では、正門に巨大なウェルカムゲートを設置する企画を立てました。安全面などの条件が非常に厳しく、一時は実現が危ぶまれましたが、先生方は頭ごなしに否定するのではなく「どうすれば安全に実現できるか」を一緒になって考え、最後まで後押ししてくださったのです。
鉄パイプや木材を使い、泥だらけになってみんなで完成させた正門のクオリティと達成感は、今でも忘れられない一生の宝物です。この経験を通して、責任をもって企画を動かす力や、多くの人を巻き込んでまとめる力を身につけることができました。この時培った力は、現在の大学生活のあらゆる場面でも大きな自信として生きています。
大泉さん私が最も印象に残っているのは、先生や友人と活発に議論しながら学んだ日々です。例えば国語の記述指導では、答案を一方的に添削されるのではなく、「なぜこの表現を選んだのか」「こちらの書き方ならどうだろうか」と、先生と対話しながら思考を深めていくことができました。ただ正解を教わるだけではない双方向の学びが、本当に面白かったです。
また、職員室のすぐ近くには生徒同士が自由に集まれる「三角スペース」という場所があります。授業の合間や放課後には、そこに集まって友人と問題を出し合ったり、教え合ったりしていました。自習室でストイックに集中する日もあれば、三角スペースで議論しながら楽しく学ぶ日もある。その日の気分や目的に合わせて、自分のスタイルで勉強できる環境が整っていました。
開智では、ライバルを追い落とすのではなく、生徒同士が自然と声を掛け合うことのほうが圧倒的に多かったように思います。「一緒にやろう」「ここ教えるよ」と笑顔で助け合う文化があり、こうした仲間との心地よい“学び合い”があったからこそ、最後までモチベーションを失わずに楽しく受験勉強を続けられました。
大泉さん開智は「部活動だけ」「勉強だけ」と、生徒を一つの枠にはめるような学校ではありません。自分でやりたいことを選び、いくらでも可能性を広げていける環境があります。まだ将来の目標がはっきり決まっていない人や、勉強も部活動もどちらも幅広く挑戦してみたいという人には、ぜひ視野に入れてほしい学校です。
嵯峨さん高校生活のなかでたくさんの活動に挑戦する人もいれば、一つのことにじっくりと打ち込む人もいます。どちらのスタイルであっても、全員が自分らしく楽しめるのが開智の良さです。パンフレットにある行事や部活動の華やかさだけでなく、「自分がどんな3年間を送りたいか」という視点で学校を見つめてみてください。そうすれば、開智の本当の魅力がきっとよく伝わるはずです。
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