生徒の進路希望は、主に「共立女子大学・短期大学」「外部大学と共立女子の併願」「外部大学」の3つに分かれます。なかでも「特進コース」では近年、外部難関大学への合格実績が着実に伸びています。今回は、高3「特進コース」担任・田中元女先生と、高3学年主任・久保田誠先生にインタビュー。進路指導において生徒一人ひとりの思考をどう深め、主体的な進路選択へとつなげているのか、その秘訣を伺いました。
生徒の進路希望は、主に「共立女子大学・短期大学」「外部大学と共立女子の併願」「外部大学」の3つに分かれます。なかでも「特進コース」では近年、外部難関大学への合格実績が着実に伸びています。今回は、高3「特進コース」担任・田中元女先生と、高3学年主任・久保田誠先生にインタビュー。進路指導において生徒一人ひとりの思考をどう深め、主体的な進路選択へとつなげているのか、その秘訣を伺いました。
久保田誠先生・進路指導部久保田先生本校では、3年間を通して行う進路指導を「針路プログラム」と呼んでいます。あえて「進路」ではなく「針路」という字を用いるのは、大学進学だけでなく、その先の20年、30年後の人生までを見据えているからです。各学年で目標を設定し、進路選択から志望校合格までを段階的に支えていきます。高1の学年通信では、生徒たちにこう伝えています。「大きな船に乗って出発した皆さんには、途中で自分自身の“小舟”をつくってほしい」。これには、どんな方向へ進むのかを自分で考え、自分の力で漕ぎ出していけるようになってほしいという、私たちの願いを込めています。
入学時には「特別進学コース」「総合進学コース」と「英語コース」に分かれますが、この段階で外部大学受験を明確に決めている生徒ばかりではありません。だからこそ、すぐに結論を出させるのではなく、“迷う時間”も大切にしています。高2でのコース選択(特別進学コース・総合進学コース・共立進学コース・英語コース)に向けて、何度も面談を重ねながら、“どんな人生を歩みたいか”という視点から進路を考えていきます。
もちろん、途中で気持ちが揺れ動く生徒もいます。その揺れも含めて、自分自身と向き合うことが大切だと考えています。最終的に選択するのは本人。そのための材料や視点を、教員側がていねいに提示していくのが役割です。
田中元女先生・進路指導部田中先生高1の夏休みには、全員がオープンキャンパスにも足を運びます。最近は保護者の方と一緒に参加するケースも多いですね。親子で話し合いながら、さまざまな価値観や考え方に触れることで、進路の視野が広がっていけばと思っています。
久保田先生本校では、高1の早い段階から志望理由書の書き方にも取り組みます。「将来どんな仕事に就きたいか」「どんな生き方をしたいか」といったテーマを繰り返し考え、何度も書き直していく。その過程を、担任がていねいに見守り、伴走していきます。
田中先生その一環として、「保護者の仕事について調べる」「自分の失敗経験を振り返る」といった課題にも取り組みます。頭のなかにあるものを実際に書き出してみることで、自分でも気づかなかった新しい一面が見えてくることも多いのです。
久保田先生生徒が書いてくれたものを通して、私たち教員側も「この生徒には、今どう関わるべきか」を深く考えていきます。生徒たちの個性や状況に合わせて、指導のあり方も一人ひとり柔軟に変えていく。これこそが、本校の進路指導の基本です。
久保田先生高1の頃から一貫して伝えているのは、“準備を大切にすること”と“時間を管理すること”です。勉強はもちろん、学校行事や修学旅行など、日々の生活をきちんと積み重ねることが、受験期を乗り越える確かな土台になると考えています。
最近は、年内入試(推薦・総合型など)で進路が決まる生徒も増えています。しかし、そこで学びを止めてほしくはありません。共通テストに挑戦したり、大学で学びたい分野の先取り学習や検定に取り組んだりして、高校卒業のその日まで“学び続ける姿勢”を大切にしてほしいと思っています。大学受験はゴールではありません。どの入試スタイルで進学する場合でも、大学進学後に困らない確かな基礎学力を身につけて送り出したい。その思いを強くもって、生徒たちに向き合っています。
田中先生私は担任として、“知的好奇心を刺激する集団”をつくりたいと思っています。受験勉強という枠にとどまらず、「学ぶことって本来面白いものなんだ」とみんなが感じられる空気ですね。例えば、1冊の本をクラス全員で読んで語り合ったり、文学散歩に出かけたりすることもあります。“テストに出るか・出ないか”ではなく、“知りたいから学ぶ”というピュアな感覚を大切にしています。そうした知的な刺激の積み重ねが、結果として受験期の最後のひと伸び(合格力)にもつながっていくと考えています。
田中先生共立女子大学・短期大学への内部推薦権を保持したまま、外部大学受験に挑戦できる「併設校特別推薦制度」。これは、特別進学コースの生徒たちにとって大きな安心材料(セーフティネット)となっています。1月に行われる「大学入学共通テスト」よりも前に併設大学の合否がわかるため、これが大きな精神的支えになります。また、理系は、他大学の指定校推薦制度を活用することも可能です。
これらの推薦を単なる「保険」として捉えるのではなく、“受験という高い壁に挑戦すること”そのものに意味を見いだして活用する生徒も少なくありません。推薦入試の面接や小論文に本気で向き合うことで、自分自身を深く見つめ直す、貴重な成長の機会にもなっています。
久保田先生ただし、特別進学コースの生徒たちは、こうした手厚い制度に決して甘えるわけではありません。一人ひとりが自分の将来をしっかりと見据えたうえで、あくまで“未来の選択肢の一つ”としてこの制度を賢く活用しています。心のなかに確かな「安心」をもちながらも、それに満足することなく、より高い目標に向かって最後まで努力を重ねていく。そうした前向きな空気が、クラスや学年全体にしっかりと根づいています。
田中先生そのため私は、クラス全員と、放課後に1〜2時間もの時間をかけた個別面談を実施しています。悩みを頭のなかだけで終わらせず、自分の言葉にしてアウトプットしなければ、本当の意味で気持ちの整理はできません。だからこそ、私は何よりも“じっくり話を聞くこと”を大切にしています。生徒の話に徹底して耳を傾け、絡まった考えを一緒に整理し、最終的に自分自身の意志で進路を選び取れるよう支えること。それこそが、私たち担任の最も重要な役割だと考えています。
久保田先生高3という時期は、実は家にいる時間よりも、学校で過ごす時間のほうが長いものです。だからこそ、私たち担任や教員は“最も身近な大人”として、単に勉強を教えるだけでなく、生徒たちの心の成長をすぐそばで支えていく存在でありたいと思っています。
田中先生特進コースでは、「学校の授業を軸に難関大学をめざす」という考え方を大切にしています。追加料金なしで「オンライン予備校」も無料で活用でき、到達度テストの結果をもとに、自分自身の苦手分野をしっかりと把握しながら日々の学習を進めることができます。また夏休みには、「特進の夏 静寂の缶詰」というユニークな自習企画も行っています。これは朝7時30分から夕方5時30分まで教室で集中して学習する取り組みで、学年を越えて高1から高3までの特進生が一緒に参加します。すぐ近くで上級生が必死に学ぶ姿に触れることは、後輩たちにとってこれ以上ない大きな刺激となっています。
この企画では、午前と午後で学習時間を区切り、「午前はこれをやろう」「午後はここまで進めよう」と、生徒たちが自分で時間を設計していきます。ただストイックに勉強するだけではありません。おやつを持ち寄ったり、休憩時間に楽しく交流したりしながら、前向きに学習習慣を作っています。
さらに昼休みには「シエスタ(昼寝)」の時間も設けており、なかには寝袋を持参して本格的に休む生徒の姿も見られました。一日中ずっと勉強に取り組んでいるにもかかわらず、みんなどこか楽しそうなんです。帰る頃には、全員がやりきった晴れやかな表情を浮かべていたのが非常に印象に残っています。
久保田先生ただ長時間勉強を強制するだけでは、決して長続きはしません。「みんなも頑張っているから、自分もやろう」と自然に思えるような空気づくりこそが大切なんです。私たち教員も後ろで見守りながら、生徒たちが安心して学習に没頭できる環境を整えています。
また夏休みの企画だけでなく、普段の取り組みとして「アフター6(アフターシックス)」という制度もあります。これは最終下校時刻が過ぎた後も、最終バスの時間まで自習室を利用できる仕組みで、多くの高校生が自発的に活用しています。コンビニ自動販売機を活用し、ラーニングコモンズで勉強する生徒も増えてきました。“やらされる勉強”ではなく、生徒自身が自分に合った学び方や、最適な時間の使い方を主体的に選べる環境。本校ではそのための選択肢を、何よりも大切にしています。
田中先生本校では、自分自身を導く力である「セルフリーダーシップ」をとても大切にしています。特定の誰かがクラスを強く引っ張るのではなく、一人ひとりが自分を律して管理し、周囲と心地よく協力しながら学んでいく姿勢です。
その姿勢は日々のクラスの雰囲気にも表れています。例えば、模試の結果を隠すことなくオープンに共有し合ったり、得意な生徒が苦手な生徒へ自然に勉強を教え合ったりする光景がよく見られます。「勉強って本来面白いよね」というポジティブな空気のなかで、仲間としてお互いを高め合っているのが高3特進クラスの大きな強みです。
久保田先生本校の生徒たちは個性が強いですね。でも、自分の意見をしっかりもちながら、相手の話もきちんと聞ける。体育大会の種目決めなどでも、活発に意見を交わしながら、最終的には納得できる形に着地していく。その姿を見ていて、「いいクラスだな」と感じます。教員側も、生徒に何かを押し付けるのではなく、それぞれの持ち味を活かせるよう支えることを大切にしています。
田中先生本校の生徒たちは、卒業してからもずっと強い絆で繋がり続けていく存在です。だからこそ、これからの学校生活のなかで出会う「時間」「空間」そして「人間」を、何よりも大切にしてほしいと思います。その日々の温かい積み重ねの全てが、皆さんの素晴らしい将来へと必ず繋がっていくはずです。
久保田先生大学受験は決して楽なものではありませんが、乗り越えたその先には、必ず新しい世界が広がっています。夢は簡単には叶わないものかもしれません。それでも、皆さんが少しでもその夢に近づけるように、私たちはどこまでも全力で支えていきます。
本校は“一人で孤独に頑張る場所”ではありません。“周囲の仲間や先生と深く関わりながら、人間として大きく成長していく場所”です。ぜひ、この学校での生活を思いきり楽しみながら、自分の未来に向かって一生懸命に突き進んでいってほしいですね。
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