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勉強も部活動も学校でやり切る
“学校完結型”の新しいかたち

栄北高等学校

〒362-0806
埼玉県北足立郡伊奈町小室1123

TEL:048-723-7711

学校情報 学校HP

Profile

松田信義 校長

 1973(昭和48)年8月31日生まれ。埼玉県出身。國學院大學文学部史学科卒業。栄北高等学校開校当初より現在に至る。2026年4月1日より第7代校長に就任。

校長就任後に挑戦したいこと

 本校は創立以来、生徒の個性を尊重し、一人ひとりの夢の実現を伴走してきました。これまで“地域ナンバーワンの進学校”をめざし、学力向上に注力してまいりましたが、さらなる高みをめざすには、学習面だけでは足りません。生徒がイキイキと輝く、より活気あふれる学校へと進化すること。これが、私の挑戦したい未来です。

“学校完結型”という言葉は、とかく“勉強をやり切る”という意味に捉えられがちです。しかし、私がめざす“学校完結型”は学習面だけではありません。部活動や行事、放課後の課外活動も含めた“学校生活の全てを学校でやり切る”ことです。

“移動時間ゼロ”で校内学習に集中でき、部活動にも思う存分打ち込める。この双方を高いレベルで両立できる場所、それこそが本校なのです。そして、この“全力でやり切る”姿勢は、生徒だけでなく教員も同じです。私自身、日本史の教師として教壇に立ちながら、進路指導、さらにはエア・ライフル部の顧問として、授業と部活動の両立を現場で体現してきました。私たちがめざすのは、上から教え込む指導ではありません。生徒と同じ空間に身を置き、ともに歩むコミュニケーションを大切にすることです。“確かな学力”と“あふれる活力”を通じて、生徒一人ひとりの人間性を高めていける学校をめざしていきたいと考えています。

ICT活用と学習環境の整備

 生徒のニーズに寄り添い、“いつでも、どこでも学べる居場所”を柔軟に広げています。約80名収容の自習室に加え、食堂や教室も放課後の学習スペースとして開放し、十分な席数を確保しました。1人1台のタブレット端末による課題の配信・提出も、すでに日常のものとなっています。

 ただし、全てをデジタル化すれば良いとは考えていません。例えば演習型の授業や日本史のような科目では、「ノートのあの辺りに書いた」という空間的な記憶が理解を助けることがあります。そのため、科目や目的に応じて「紙」と「ICT」を最適に使い分けるのが本校のスタイルです。最適なツールを選び抜き、熱意をもって教える。その教育の原点は、これからも変わりません。

生徒も教員も活きる雰囲気づくり

 本校は普通科に3つの類型(特類選抜・特類S・特類A)を設けていますが、どの類型でも部活動との両立は十分に可能です。生徒が活力を発揮するために大切なのは、登校した時に「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」と身構えず、自分の言葉を発信できる環境です。「これをやってみたい」と気軽に言える空気があり、生徒の自主性がごく自然に尊重されています。

 こうした環境を裏から支えるため、教員側の体制も柔軟に刷新しています。進路指導を担任一人が抱え込む必要はありません。進路指導部を中心に、生徒の志望分野に応じた専門教員がサポートする体制を整えています。理系志望なら理科の教員が担当するといったように、それぞれの専門性を活かして細やかに伴走することで、より的確で深い進路指導を実現しています。

 コロナ禍の際にも、教務担当が即座に時間割を組み直してオンライン授業へと切り替えるなど、私たちは常に臨機応変に対応してきました。“必要ならば果敢に挑戦し、違えばすぐに改める”という柔軟さこそが、本校の大きな強みです。現在は教員の働き方改革にも注力しており、子育て中の教員が定時で退勤できるよう、周囲で業務を分担する体制を整えています。教員側の心と時間にゆとりがあるからこそ、生徒一人ひとりにじっくり向き合い、細やかにサポートできる。私たちはそう確信しています。

アクティブラーニングへの考え方

 特別なプログラムを並べて「アクティブラーニング」と呼ぶのではなく、学校生活の日常にその要素が自然と溶け込んでいるべきと私は考えています。1年次に行う「キャリア探究」や「ビジネスプラン」の授業もその一環ですが、何よりの大切にしているのは“日々の学校行事”です。例えば、「スポーツフェスティバル」や「文化祭」は、企画から進行まで生徒会や実行委員会が全て主導します。教員は安全を見守るだけで、運営には一切タッチしません。勉強以外の課外活動を本気で充実させること。そこから必然的に生み出される主体性こそが、真のアクティブラーニングだと考えています。

グローバル体験が育む自信と進路意識

 今の子どもたちはシャイで、自己表現に苦手意識をもつ子が少なくありません。夏休みに実施する5日間の体験型国際研修「グローバルスタディーズプログラム」は、そんな生徒たちが殻を破る絶好の機会となっています。留学生と英語で交流するなかで、初日は恥ずかしさから一言も話せなかった生徒が、最終日には堂々と自分をアピールできるようになります。数日間で語学力が劇的に伸びるわけではありません。しかし、「英語をツールにして自分を表現できた」という経験が、確固たる自信に変わるのです。

 進路への意識も、単に「入試のために勉強する」のとは異なります。こうした実体験から知的好奇心が芽生えれば、生徒は主体的に学び始め、自ずと次の目標を見つけ出します。豊かな人格形成や教養の育成こそが、結果として最高の進路実現につながると確信しています。

「今日をやり切る」という校訓の意味

 本校の校訓は「今日(こんにち)学べ」です。これは“今日やるべきことをやり切る”という意味ですが、決して完璧主義を求めているわけではありません。一日を無駄にせず、勉強や部活動、時には友人とのたわいもない会話も含め、とにかく毎日を充実させてほしいという願いが込められています。たとえ毎日が100点満点でなくても、その充実の積み重ねがあれば、人生は最終的に良い方向へと向かいます。それくらい長い目で、のびのびと学校生活を捉えてほしいと思います。

 そして卒業の際には、自分の意志をしっかりと声に出せる人に育っていてほしい。同時に、周囲への感謝を忘れず、他者の声に耳を傾けながら協働し、組織や社会のために力を発揮できる人であってほしいと願います。自分優先になりがちな時代だからこそ、誰かを支え、支えられることの尊さを、栄北での日々を通じて学んでいってほしいですね。

 実は今年度の始業式で、生徒たちにこんな話をしました。「私も子どもの頃、毎日『学校に行きたい』と思っていたわけではありません。だから、色々な葛藤がありながらも毎日登校している皆さんは、それだけで立派なのです。もし学校に足が向かない朝があっても、それは恥ずかしいことでも、特別なことでもないのだから」と。“これが絶対に正しい”と一つの価値観を押し付けるのではなく、むしろ一人ひとりの揺らぎすらも包み込んでいく。栄北は、そんな優しさと多様性を備えた学校でありたいと思っています。

 栄北高等学校は確かな「学力」だけでなく、部活動や委員会といった「活力」を何よりも重視します。学校生活の全てを全力で充実させ、心から楽しみたいという中学生に、ぜひ来てほしいと願っています。

 私たちが掲げる“学校完結型”というキャッチフレーズは、年月を経て、ようやく“勉強も部活動も学校でやり切る”という本質に近づいてきました。正直に申し上げれば、「勉強さえできればいい」と考えているなら、ほかにも多くの選択肢があるはずです。しかし、勉強だけでなく、学校生活の全てを全力でやり切りたい。そんな熱い想いをもった皆さんを、私たちは心から待っています。

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